▼伎楽山 妙音寺の御首題です。(日蓮宗/東京都台東区松が谷1-14-6)
お題目の両サイドは
「我此土は安穏にして、天人常に充満せり」という妙法蓮華経の文言だそうです。
妙音寺は江戸時代の「江戸十大祖師」に数えられる寺ですが、
御首題をいただくのに、それを阻む塀の高さは、
米国・メキシコ国境のトランプ建立の塀より高そうです。
ですので「台東区 妙音寺 御首題」で画像検索しても結果は数枚しか現れません。
もちろん、検索結果が全ての真実を表しているとは思いませんが。
とにかく本ブログは有難く、幸いにも2度目の訪問で、ご住職から丁寧に揮毫いただけました。
▼2021年3月、久しぶりに通りがかりに参拝してみました。
以下の右写真の貼り紙がありました。
左写真は2017年頃の貼り紙だったと思います。
丁寧な文ですが、右の貼り紙の文章は
「只今御首題・御朱印に大変申訳ありませんが お応え出来ません」
御首題に謝罪していてヘンです。
校正します。
「大変申し訳ありませんが、只今御首題・御朱印にお応え出来ません」
とすべきでしょう。
言葉の順序だけの違いですが、意味が異なってしまいます。
単に「弘法も筆の誤り」でしょう。
とにかく案内は「お応えできません」「書置きも用意しません」という内容のものです。
綺麗な筆跡で丁寧な文章にしようとする意図は伝わってきますが、
非対応の理由・期間は書かれていません。
捉えようによっては「御首題お断り!」とも読み取れます。
何れにしても御首題・御朱印に積極的な姿勢を示してくれる寺ではありませんし、
私たちには分からない、何かもっと別な事情があるのかもしれません。
「江戸十大祖師」に数えられるだけに、その御首題を求める人々には残念なことではあります。
最近ではイラスト御首題が巷に溢れており、
本ブログでも「日蓮宗のほとんどの寺は親切」と何回も記事にしています。
でも「ほとんどの寺」です。お間違いのないように!
そして何よりもタイミングかもしれません。
「間の悪い」男とか、女もいることですし・・。
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それでも訪問して御首題ををお願いしてみようと思う方は、
▼銀座線「稲荷町駅」から数分です。
逆に見れば「貼り紙」がない時は御首題をいただけるということでしょう。
頑張ってください。
あるサイトでは「5度目の訪問でやっと御首題をいただけた」というツワモノも見受けられました。
根性なしの本ブログは、3回目でいただけないと相当ヘコミます。
▼さてgoogle map では「池の妙音寺」と記されている1611年創建の山門です。
▼屋根瓦は「井筒に橘」が形どられています。
「井筒に橘」の紋は、谷中の「本妙院」でいただいた御首題によって学ばせていただきました。
▼まったく綺麗に手入れの行き届いた庭です。
▼山門をくぐったすぐ左手に鳥居と「糸織守護 養蠶大明神」の社号標。
とても読めない「糸織守護 養蠶大明神」ですが、
「糸織守護 養蚕大明神」とすれば読めます。
蚕の旧字「蠶」はとんでもない字ですが、
▼文字の生い立ちは以下のようです。【漢字/漢和/語源辞典】さんからお借りしました。
素晴らしくわかりやすい説明です。
▼ということで「蚕で一儲け」された方々が、1864年に妙音寺境内に建立されたとか。
▼両手に繭が山盛りになった籠を抱えている「金色姫」が線刻されているそうですが、劣化していてよく見えません。
何れにしても織姫神社とか織部神社、服部神社などと同じような趣旨で建立されたものなのでしょうし、
蚕や養蚕を祀る神社は他でも多いですね。
▼趣のある姿をした「弁天堂」も建ちます。
▼「妙音弁財天」は伎楽芸能を守護する神で、かつては伎楽の天女として多くの著名芸能人から信仰を集めたそうです。
▼「池の妙音寺」とも呼ばれますので、弁天堂の脇に池が造られています。
伎楽の天女として信仰を集め弁天池?には、錦鯉たちが賑やかです。
▼本堂は奥の庫裏の手前に建ちます。
▼本堂扁額は読めませんが、後ほどネットで勉強させてもらいました。
「常楽殿」だそうです。
▼賽銭箱も「井筒に橘」。
浅草の市街地ですので寺自体の境内はそれほど広くはありませんが、
妙音寺は、江戸十大祖師の1つであり、
江戸時代には各地の日蓮宗寺院から出開帳が行われる会場ともなっていたと伝わる、
400年を超える歴史を持つ興味深い寺です。
2021年現在、妙音寺に「イラスト御首題」は不要ですが、
真摯に寺を参拝、訪問される方には御首題授与が望まれますが、
その前に「真摯」の見極めが難しいでしょうね。
御首題・御朱印はいただけなくとも、近くに寄った時は訪問価値のある寺です。
▼「江戸十大祖師」mの過去記事です。