瑞宝山 慈恩寺 本尊弥勒尊の御朱印
「じおんじ」慈恩宗()
訪問時の御朱印にはもう1種類「医王尊」がありましたが、
いつものように2体だけいただきました。
関東の人間が知っている寒河江市は「さくらんぼ」ですし、「ラフランス」の里です。
当地でも「日本一さくらんぼの里」とアピールしています。
ふるさと納税でも返礼品には当たり前にさくらんぼが並んでいます。
寒河江市が山形のどこにあろうが、
さくらんぼの里と覚えられれば自治体としてのPRは成功かもしれません。
翻って山形の寺と言うと、御朱印に興味ない人を含め誰しもが知っているのは
「山寺・立石寺」。
▼しかし、ここ寒河江にも山寺に劣らない1300年の歴史を誇る寺があります。
なぜ東北の寒河江にこんな立派な寺があるのか不思議ですが、
慈恩寺だけに言えることではないですね。
それにしても私的には山寺より、いろいろと印象深い寺となりました。
寒河江川が流れる里から標高差は100m以上ありそうな山沿いにある寺まで駆け上がります。
いきなりガツ〜ンと迎えてくれたのが「三重塔」でした。
▼当初のものは焼失しており、これは戦国大名 最上義光による再建だそうです。
▼正面の方に戻り、階段下から見上げる「仁王門」は頭上に覆いかぶさってきます。
▼慈恩寺の詳しい知識がなくとも、この眺めだけでもう素晴らしい寺であることが予想できます。
▼高いところにある扁額のエメラルドの文字は「瑞宝山」。まさに瑞宝です。
▼左右の仁王像は風雨にさらされ、さらに険しさを増しているかのようでした。
当初は彩色されていた様子が窺えますが、色落ちて凄みがさらけ出された姿も印象的でした。
▼仁王門をくぐって、さらに石段を登ると正面に「本堂」です。
▼なぜか茅葺の建物は常に魅了されますが、このバランスはサイコーです。もし国指定の文化財にされてないとしたら私的文化財にします。
本堂に上がって本尊はじめ様々な仏像と対面しました。
しかし堂内はすべて撮禁。しかも薄暗く仏像の詳細部分はわかりません。
また、本職ではなくボランティアさんらしきお父さんの一生懸命な朴訥としたガイドで一周した堂内では、せっかくのお父さんに相槌を打つのが精一杯。
さらに雨上がりの山形の5月1日は寒い。
スリッパのない堂内廊下からジワジワ冷気が靴下を通過して、突き刺してきます。
足踏みしながら拝観する小さ目の十二神将も、二神将しか覚えていません。
と言うことで、ここ慈恩寺に限らず寒い時期の寺は足元が冷たい。
特に女子は耐えられなく、もったいない拝観となることが多々あります。
ですので深秋から春先の御朱印巡りの寺には、足首まですっぽり包まれるモコモコブーツのようなスリッパを持参するのが正解です。
ブーツがモッコリなら、ユックリ、ジックリ拝観できること請け合いです。
通常、寒気、冷気は頭部は平気なものです。弱いのは足元です。足さえ暖かければ余裕でゆっくり拝観できます。
そんなことを思っていると、この地の冬は雪に覆われますので、足元どころではないことに気づきます。全身寒気冷気に襲われます。
冬を「東京の温室」で暮らしている者から見ると、冬には大量の雪が降る地で暮らす人々の苦労と力強さに圧倒されます。
そんな事を感じながら本堂の左右に展開されている阿弥陀堂はじめ諸堂を巡っていると、かつてはここの山域全体が寺で100に近い数の寺や坊があって、
その修行者たちの心構えと状況を想像すると、
ワタシの足元の冷たさなんて「へ」のようなもです。
「風の前の塵」のようなたった一時の感情です。
甘く、ひ弱で、性懲りのない自分を「お不動」さまに詫びて帰ります。
慈恩寺は決して忘れられない山形No.1の寺でした。山寺よりは・・・。