法興山 中宮寺の御朱印
「ちゅうぐうじ」聖徳宗(奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺北1-1-2)
中央、菊の御紋の下の寺印は「亀」の中に「中宮 尼寺」となっています。
なぜ「亀」なのでしょうか?
本堂周りの池に亀がいるのかもしれませんが、
その答えは、この記事の最後にあります。
中宮寺は「聖徳太子霊跡」「尼寺霊場」「神仏霊場巡拝の道」など、
複数の札所になっているので、それぞれ異なる御朱印がいただけます。
中宮寺は、ほとんどの訪問者が法隆寺とともに参拝されるのでしょう。
▼世界遺産の法隆寺を見て回った後、新たな拝観料とともに中宮寺訪問です。
2021年現在の拝観料は600円。
本堂は池で囲まれるように建てられている様子ですが、雑草ではないでしょうが、草木に覆われていて何だかよく分かりません。
それに法隆寺の広い境内と多くの伽藍、そして金堂内の仏像などを拝観した後に中宮寺を訪れると、
「えっ、これだけ?」と拍子抜けするくらいに小さな本堂だけが拝観対象となります。
本当は見る目があれば書院造りの「表御殿」などの伽藍もあるのですが・・。
▼そして本堂内は撮影禁止。
訪問時は女性が長い時間、熱心に祈りを続けていました。
ほとんど写真も撮れずに拝観終了し、中宮寺を出てしまいました。
▼しかし拝観料の価値は、国宝「如意輪菩薩」を間近に見られたことにあります。
はい、上の写真の如意輪像は違います。
浜松・宝林寺の半跏思惟の菩薩像で、細身の像は国宝でもなんでもありません。
でも姿勢といい、表情のアルカイックスマイルといい、国宝に似せてあるのでしょう。
▼本物の本尊、国宝「菩薩半跏像(伝如意輪観音)」はこちらです。(写真は【中宮寺】)
芸術としてもカンペキに美しい像ですが、
興福寺の阿修羅像などと同様にあまりにも有名で、様々な媒体でこれまで目にしてきているせいか、新鮮味と感動はかなり希薄なものになってしまいます。
▼少し前までは50円切手の意匠に使われていたくらいポピュラーです。
それとも節穴のような眼しか持ち合わせないのが、感動の少ない理由かもしれません。
▼中宮寺ではもう一つ見て置かなければならない国宝が「天寿国繡帳(天寿国曼荼羅)」です。(写真は【中宮寺】)
日本最古の刺繍と伝わります。
「聖徳太子が往生した天寿国のありさまを刺繡で表した帳」で、聖徳太子の死を悼んで妃の橘大郎女が作らせたと伝わっています。
しかし、中宮寺本堂に展示されている「天寿国繡帳」はレプリカ。
本物は「奈良国立博物館」に置かれています。
本物は残された断片で傷んでいるとはいえ、1200年以上もの長い時間を耐えたのは奇跡に近いことなのでしょう。
▼「天寿国繡帳」には亀がいくつも描かれ、それぞれの亀の甲羅に漢字が4字ずつ刺繡で表されています。(写真【wiki】)
御朱印に押された亀の印は、おそらくこの亀を表しているようです。
中宮寺の創建は7世紀前半と推定されていますが、法隆寺同様、正確なことはまだまだ分からないことが多い寺でした。
▼隣接する「法隆寺」の記事。