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御朱印迷宮

関東を中心とした寺社の御朱印記録です。参拝・収集目的に少しでも役立てば幸いです。

御嶽神社の御朱印(東京・大田区)〜垣間見える かつての山岳信仰の輝き

御嶽神社御朱印です。(東京都大田区北嶺町)f:id:wave0131:20200423115356j:plain

▼同じく、御嶽神社2013年の御朱印f:id:wave0131:20200423115352j:plain

墨書きの筆の太さは違いますが、同じ筆跡でしょうか。

今回は、2013年にいただいた御朱印の「木曽御嶽山関東第一分社」というスタンプがなくなりました。

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▼池上線に揺られて降りる駅は「御嶽山」。東京の「御嶽山」で、地域名も町。

東京23区にも山はいくつもあります。

現実に高みのある山から、平坦地で単に地名だけと思われる山など様々です。

代官山、御殿山、愛宕山、大山、箱根山飛鳥山など、あげたらキリがありません。

 

しかし、木曽御嶽山の名をそのまま「駅名」にしているのは珍しいと思います。

もちろん、山を示す駅名というより御嶽神社を示す駅名なのでしょう。

JR青梅線にも同じ文字を使った「御嶽」駅がありますが、こちらの読みは「みたけ」ですので、「おんたけさん」はここだけでしょう。

 

▼その御嶽山、2013年の社頭です。

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▼社殿も7年間に変化はありません。

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▼「御嶽山」駅を降りて下町っぽい商店街を左に進むとスグに突き当たって、右を見ると神社です。

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▼2020年、見事というか巨大な社標に深い彫りで「御嶽神社」と刻まれています。

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▼鳥居をくぐると狛犬は木の柵で守られています。イタズラ防止用でしょうか。

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▼それほど古いものではなさそうですが、阿形は少しイタんでいます。

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▼「水遊びおことわり」の注意書きは子供たち宛てでしょうか。

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▼こちらは大人の水遊び、ではなく祭礼前に氏子が身を清める「水行堂」。

f:id:wave0131:20200423115500j:plain滝とか、川、海での潔めは目にしますが、神社境内での「堂」は他でもあるかもしれませんが、初めて目にしました。

明治期に建てられたそうで、建物上部に龍などの細かい装飾彫刻が施されています。

 

▼その右隣の小さな祠は「延命地蔵」。

f:id:wave0131:20200423115510j:plain神仏習合の名残ではなく、昭和に入ってからの阪神大水害に纏わり、兵庫からこちらに引き取られた地蔵さんだそうです。

 

▼社殿は1831年に建てられたものが200年近く耐えています。

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▼社殿の前にはもう一対の古そうな狛犬は大神でもあり、狼でもあります。

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▼とぼけた表情は憎めません。想像上の獅子より日本犬や狼の方が親しみやすい?

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かつて狼は、山の猟師たちが「山の神」として崇められていたそうです。山岳信仰御嶽山には獅子より狼でしょう。

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▼やはり痛んでいます。何とか止めなければ・・。

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御嶽に 丸三つ引木曽御嶽山と同じ神紋です。

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▼拝殿正面の扁額は「三社宮」。御嶽信仰の三柱を示すそうです。

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▼社殿にはたくさんの奉納額がかけれています。

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これまで多くの神社を巡っていて、時代的にはついこの間まで、いかに多くの山が山岳信仰の対象となっていたか知るようになりました。

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東日本では富士信仰浅間神社は関東一円に広がっています。

さらに東京近くでは大山詣、北の出羽三山白山信仰、また榛名山戸隠山秋葉山もすべて信仰の対象で、それぞれ講ができていました。

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もちろん各地域で現在も受け継がれている山岳信仰と講ですが、その小さな地域内に生活していないと分からない存在でした。

 

ワタシたちは御朱印収集という目的で訪れた神社で、当時のその信仰の深さを知ることができました。

そしてやはり御朱印目的で、各山の山頂にある奥宮まで「登拝」する人々まで生み出しています。

 

富士詣も、大山詣も江戸時代のブームでした。

平成から令和の御朱印ブームで、山岳信仰というものが少しでも理解されれば、山の神も喜んで御朱印収集者の登拝を受け入れることでしょう。

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1831年の繊細な彫刻はいったい誰が彫ったのでしょう?

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他国の建築物にも彫刻は多く見られますが、ここまで深く繊細な彫り物は少ないのではないでしょうか。

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御朱印にも押されている神紋は御嶽山を象徴しています。

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▼本殿の方向に回り込んでみます。

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1831年の彫刻がギッシリです。詳しいことは何もわかりませんが古事に因んだ情景が彫られています。

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▼本殿の左手に隣接して建つのは「一山神社」。

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木曽御嶽山の御分霊を勧請し、御嶽信仰を広めた「一山」を祀っています。

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俗名を治兵衛とする「一山」行者の中興により、小さな祠から1831年に現在の社殿を築かれたそうです。

木曽御嶽山を信仰する御嶽講も多く組織され、まさに「一山」あっての御嶽神社です。

f:id:wave0131:20200423115515j:plain浅間神社富士塚同様、遠い木曽にい行かれない人たちのために「御嶽塚」もあったそうです。

そして三度参拝すれば、木曾御嶽山へ一回行ったのと同じご利益があると信じられていたそうです。

 

▼直ぐ右となりの小さな社は稲荷社

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▼「杜の霊神水」は、かつて一山が水行に使用した井戸があった場所に新たに蘇らせた御神水のようです。

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▼社殿の右手にあるのは「大鳥神社」。

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▼こちらにも一対の狛犬が正面を向いています。

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▼社殿裏手は「木曽御嶽山長崎稲荷大明神」の祠や、数多くの「霊神碑」が建ち並んでいます。f:id:wave0131:20200423115757j:plain

神社のかつての繁栄を一つ一つの碑がその歴史を刻んでいるのでしょう。

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▼「渡辺菊太郎像」。御嶽信仰の先達?

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御朱印はこちらの社務所でいただきました。宮司さんには由緒書きをいただき、少しだけ神社のお話をしていただきました。

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御嶽神社を誇りに思っていらっしゃる宮司さんの真摯な姿が窺えました。

 

社務所入口の左右の足元にこの像は? 魔除けのようなものなのでしょうか?

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木曽御嶽山の信仰と並行して「嶺の御嶽山」も多くの信者に崇敬され、賑わい輝いた時代があったことを教えてくれる神社でした。

 

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