遠江国一宮 小国神社の御朱印
「とおとうみのくに いちのみや おくにじんじゃ」( 静岡県周智郡森町一宮3956-1)
「遠江」を「とうとうみ」と読ませられるのですから、これは覚えるしかありません。
「江」は「入り江」と覚えていましたが、「入り江」は広い意味でくくれば「海」としてもおかしくないのでしょう。
その「遠江国一宮」は「おぐに じんじゃ」と読みたいのですすが、
濁らず「おくに じんじゃ」でした。
▼誰もが知っている「森の石松」の「森町」は広く、そのほとんどが山林です。
かつては秋葉山本宮秋葉神社へ通ずる秋葉街道の宿場町として賑わったそうです。
現在は人口2万人足らずの町で「遠州の小京都」とも言われているそうですが、それはあまり話題にならず、やはり有名にしているのは次郎長一家の「森の石松」です。
しかし「石松」は実在なのか、架空の人物なのか正確にはわからないようです。
とは言え「スシ食いねェ!」の話としては実在した方が面白いに違いありません。
現在も愛知県新城市に生家が伝わり、今回訪問の「小国神社」の近くの「大同院」に墓があります。
あまり有名なせいか、墓は他にも複数ありどれが本当の墓か分かりません。
石松は人気者に繋ぎ止めおくべく、森町では3年に1度「森の石松まつり」が開催され、森町の市街地から大洞院まで道中が練り歩くそうです。
▼そんな森町に鎮座する「小国神社」は googlemap にも「大自然に囲まれた神社」と説明が記されています。
天竜浜名湖鉄道「遠江一宮駅」から送迎バスが出ているものの、車以外ではアクセスが悪いようです。
▼神社に着いたら、いきなり夕立に出会いました。しばらく車の中で退避です。
ドシャ降りが少しおさまり、小降りになりました。この機に急ぎ参拝です。
▼参道は小降りの雨も1000年の古い大木に遮られ気になりません。
▼「ことまち池」、別名「いぼとり池」の向こうに見えるのは「八王子社」。
当社の創建は神代の時代。
古墳時代の6世紀とも言われていて、当社より北へ6kmほど離れた「本宮山」に神霊が現れ、勅命によりそこに社殿が造営されたのが始まりだそうです。
現在はmapで「奥磐戸神社(小國神社奥宮)」と表されているのが神霊出現地なのでしょう。
奥宮に社は建つものの標高500mくらいの位置にあるから、たどり着くには完全に登山になるでしょう。
「小国」とは出雲国の「大国」に対し遠慮して、遠江の「小国」としたようです。
家康が社殿を再建し、江戸時代に入ってからも歴代の将軍が社殿の造営や営繕、社領の寄進を行ってきたそうです。
しかし、多くの建物は明治に入ってから火災で焼失されていますので、現在のほとんどの建物はその後の再建によるものです。
焼失以前には巨大な「楼門」も備わっていたそうです。
▼それでも再建された社殿は、式内社、一宮たる風格、威厳を持った「拝殿」です。
▼祭神の「大己貴命(おおなむちのみこと)」、つまり大国様にご挨拶します。
雨模様の朝9時過ぎの早い参拝に、ほかの参拝者は数組だけ。
静謐な境内はゆっくり参拝できるはずでしたが、この後の予定に時間余裕なく、駆け足での参拝となりました。
▼昭和の台風で倒れた大杉、1000年の御神木は根株が大切に守られていました。
ゆっくり見学できなかった小国神社も是非とも再訪したい「一宮」の一つです。
▼2017年に神社入口横に昔町を装った「小國ことまち横丁」が出来ています。