「きりう かも じんじゃ」主祭神:賀茂別雷神(群馬県桐生市広沢町6-833)
中央に「賀茂神璽」の印が、
中央は通常だと「賀茂神社」となっていることが多いのですが、
当社では「賀茂神璽」となっています。
「かもしんじ」と読むのでしょうが、
広辞苑などで調べてみると「神璽」とは「皇位のしるし」「天子の印」などを意味するようです。
「あまり書いたことがないので・・・」とおっしゃりながら対応いただきました。
戻された御朱印には朱印帳ページの中央にエンピツで薄く垂直線が書かれていました。
筆文字が曲がらないように中心線を描いたのでしょう。
ワタシたちも時々使う方法に、思わず微笑んでしまいました。
▼賀茂神社は桐生市内に鎮座しますが、市街中心部よりかなり南に位置します。
▼国道122号線から南に入って進むと小高い山に向かう道路になりました。
▼そんな山の麓に「大鳥居」が建ちます。
「風雨降雪時の参拝は大鳥居の前で・・・」の看板が立っていました。
群馬、桐生の冬は雪が多いのでしょうか。
真冬の桐生では最低気温の平均が氷点下なので雪の日も多いのでしょう。
▼大鳥居をくぐると静まり返った静謐な境内の先に社殿が見え、社叢というか、裏山というか深い緑が神域を覆っています。
街の喧騒もなく、他の参拝者の姿がないせいか、とっても神威を感じさせられました。
創建は不詳ですが、崇神天皇の皇子が山城国の賀茂神を勧請したと伝わりますので、
主祭神は京都の「上賀茂神社」と同じ「賀茂別雷命(かもわけいかづちのみこと)」になります。
裏山には遺跡や神籠石などがあるそうですから、古くから自然崇拝の対象となっていたのでしょう。
▼提灯の紋は全国にある賀茂神社と同じものなのでしょう。
写真はないのですが境内は広く、いくつかの境内社の他にあちらこちらに石の祠や意味ありげな石などが点在しています。
▼神楽殿は「神楽社」の額が掲げられていました。隣は神輿庫かもしれません。
▼当社境内で一番の神秘性を感じずにはいられない、緑の森に埋もれた鳥居と長い石段の先の社。
ひっそりと隠れるように鎮座する姿は、まるで奥宮のような佇まいですが、
「豊機社」という神社でした。
「豊機社」は詳細不明です。
しかし「豊かな機(はた)」または「機(はた)が豊か」としたら、古く奈良時代に起こった桐生の織物に関係のある神社かもしれません。
東京の都会的な神社や狭い境内の神社だけを巡っていると、
神社とはこんなものだとイメージ化されてしまう場合もあるかもしれませんが、
都心部の神社とは全く異なる空気を持つ神社に出会った時、神社の起こりと刻んできた時間を改めて肌に感じさせられるに違いありません。