▼5年前に36不動を巡ってた途中で、1986年(昭和61年)発行の「関東三十六不動霊場」案内書を手に入れました。
写真左がそれで、サイズは現行(右)のガイドブックB6に対してA5と、少し大きい。
その案内書は「ガイドブック」とは名打ってはいません。
表紙は単に「関東三十六不動霊場 納経帳付」となっています。
発行所は不動霊場会(岩槻大師)で変わっていませんが、著者・編集・印刷所は全て変わっています。つまり、全て新たに出版し直していることになります。
手持ちのガイドブックの奥付は2010年(平成22年)改訂のもの。
7年経過した2017年現在は、改訂がさらに進んでいるかもしれません。
札所22番と24番の2寺が30年前とは変化しています。
現在は、22番 浅草寿不動尊 (寿不動院)、24番 飛不動尊(正寶院)です。
旧22番 大行院は浅草寺境内にあります。塔頭なのか子院なのか不明。
ナゾですが、しかしイイ寺です。
みな浅草寺の本堂に向かう途中、スルリとこの寺に入る。謎だから空いています。
旧24番もナゾの寺。
江戸五色不動の目黄に加えられるか否か微妙なところだし、この寺もいろいろ謎多い寺らしい。
マイナーな霊場は、札所の変化も度々あります。
関東36がマイナーか否かは、御朱印ブームの今は「否」、メジャーと言ってだろうね。だから札所も、しばらくは現状で固定でしょうね。
それにしても30年前以上の寺の写真紹介が続く、旧案内書。
大したタイムスリップでも無いですが、それでも関東36はほとんどが都会にあるだけに、様子が大きく変容している札所もあります。
深川不動のこの写真なんて、本堂とバックの高速道路だけは変わっていませんが、現在とはイメージ的にかなり異なっています。
他の寺も同様で、写真だけ見比べていても、なかなか面白い。
「納経帳付」だから巻末に1番から36番まで、こんな調子で墨書きが印刷されています。
きっと日付と朱印だけいただくんでしょうねぇ。
▲32番 普和山 最上寺(厄除岩瀬不動尊)・ 真言宗智山派・千葉県富津市岩瀬
▲33番 妙高山 大聖院(高塚不動尊)・真言宗智山派・千葉県安房郡千倉町大川
▲34番 幸野山 宝勝院(夷隅不動尊)・天台宗・千葉県夷隅郡夷隅町苅谷
古い案内書は34番 夷隅不動でいただきました。
気の良さそうな年配の住職に御朱印をお願いして、ふと傍を見ると、10冊ほど積み上げられていた旧案内書。
手にとって頁をペラペラめくっていると「持っていっていいよ!」住職の声。
無料、タダでした。タダは好きですが、この時点で新しい「ガイドブック」が出回っており、それを頼りに36ヶ所を巡っていたので「要らないわ!」と思ったものの、せっかくの好意、ありがたく頂戴しました。
やはり「タダ」は断れません。
しかし今、改めて手にしてみると、なんと貴重な案内書か理解できます。寶勝院の住職に感謝です。
ぜひ、もう一度訪れて、この案内書に日付と朱印をいただくことにしましょう。
▲35番 阿舎羅山 大聖寺(波切不動尊)・真言宗智山派・千葉県夷隅郡大原町大原