青山熊野神社の御朱印
「あおやま くまの じんじゃ」主祭神:五十猛ノ命(東京都渋谷区神宮前2-2-22)
墨書きも三つ葉葵の朱印とともに全ての文字は読み取れると思います。
右下のGOLDの鳥は3本足なので八咫烏でしょうが、
こんなに思いっきり良く羽ばたいている八咫烏は初めて目にしたように思います。
もっとも他の色だったら、別なイメージを抱いたかもしれません。
▼御朱印をいただくのは境内右手のこの立派な社務所入口の、さらに右側に・・・
▼授与受付があり、明確な御朱印案内はありませんでしたが書置きをいただけました。
▼当社の鎮座地は青山でも少し奥まった位置にあります。
銀座線「外苑前駅」から神宮球場へ行くときは外苑前交差点から「スタジアム通り」を北に進みます。
▼その先の正面には国立競技場が立ちふさがっています。
その「スタジアム通り」を進んだらスグ左折して「熊野通り」に入れば、
300mも歩かないうちに神社前に着きます。
「スタジアム通り」や「熊野通り」は通称なので、正式な道路標識は無いと思います。
googlemapには記されています。
▼最初に掲載したgooglempに通称の通り名などを追加しました。
神社前の通称「熊野通り」は江戸時代から昭和初期まで「羅生門横丁」と呼ばれていました。
江戸時代末期、ここで御家人などの刃傷沙汰があって、その時代でも腕を斬り落とされるのは珍らしいのですが、
不思議にも2年続いて、腕を斬り落とされる事件が起きて「羅生門横丁」と呼ばれるようになっています。
「羅生門」は黒澤明監督の映画ではなく、室町時代の謡曲「羅生門」に由来します。
▼そこに登場する人物、渡辺綱が鬼の腕を切っています。(▼写真は「wiki渡辺綱」)
この渡辺綱が鬼の腕を斬った話と、江戸時代の腕斬り落とし事件を繋げて
「羅生門横町」と呼ばれるようになったそうです。
腕斬り落としという何とも凄惨で物騒な話ですが、
▼神社近くにはもう一つ物騒な通り名があります。「キラー通り」です。
先に掲げたマップでは「キラーストリート」と記しています。
外苑駅から近くの南青山3丁目交差点から北へ延びる通り名です。
しかし「Killer street」=「殺し屋通り」となり、物騒この上ない!
「キラー通り」の名称由来については話が長くなるので省きますが、
キーワードとして
「1970年代」「コシノジュンコ」「青山墓地」「ピンキーとキラーズ」などを挙げておきます。
いっときは「キラー」から音引きを削除して「キラ通り」としていたkともあったそうです。
車なら「神宮前3丁目」交差点を東に。
▼ここにコインパーキングがあります。正面が神社の森です。
▼緑モリモリの歩道を進んで神社に向かいます。
▼参道に向かう前に境内を覗き見です。
▼社頭前の一通を東に進むと「羅生門横丁」。
今は人の往来の多い何でもない通りですが・・・。
▼看板に「駐車場出入り口につき」という文字があります。
▼ということで境内が空いていれば、参拝のための短時間なら駐車可能のようです。
▼改めて正面参道から参拝です。
▼手水舎は柄杓はないけど、しっかり水が出てるのでお清めです。
▼水盤にも社紋でもある徳川家の三つ葉葵。
▼途中から見る社殿は、右手の木が思いっきり斜めに枝を伸ばし、社殿の全身を隠しています。
▼狛犬はテカテカと光沢があります。
金属でも石でもなく、プラスチックのような素材。
▼でも絵画的な狛犬です。
▼絵画? いやスケッチか、油絵っぽい。
▼右手の木は30°くらいの斜度で枝を伸ばしています。
▼賑々しく色は豊富に使用されていますが、まとまりのある拝殿。
熊野神社の創建は1644年、当初は紀州藩邸内に祀られていたそうです。
このころの時代までは神仏は武家や貴族のもの。自分たちだけのために祈りました。
もちろん庶民にも山の神、田の神、水の神、海の神などはあったのでしょう。
しかし祠を設けて「稲荷」や「権現」を祀るのは力のある者だけに限られ、それも自分の邸内に祀り、自分のためだけの神仏だったはずです。
それがいつ頃からか、邸内への参拝が許されるようになったり、また邸内から遷座して一般庶民に解放する武家や商人も出てきます。
当社も江戸町民の願いが聞き取り入れられ、現在地に移遷されたと伝わります。
それでも「熊野大権現」サマのままで、
明治に入ってから青山熊野神社となっています。
天水桶は江戸時代のものらしく「江戸深川 御鋳物師 太田近江大掾藤原正次」の文字。
「おおたおうみ だいじょう ふじわらのまさつぐ」は、幕府御用を務めた鋳物師の名跡。
主な作品に浅草寺の梵鐘や、墨田区回向院の銅造阿弥陀如来坐像などがあり、築地の波除稲荷神社の天水鉢も彼の手により鋳られたものだそうです。
そして、その名は江戸の長者番付けにも載っていたとか。
▼鉄筋コンクリート製の社殿は昭和の戦後に再建。
▼境内社がひとつ。伏見稲荷、御嶽神社、秋葉神社となっています。
人の往来の多い通りに面しているので参拝者は絶えません。
物騒な名称とその喧騒から逃れられ、ほっと一息入れられる神社です。