よくあるパターンで「下館羽黒神社」という名称の神社はありません。
単純に「羽黒神社」が正しい名称。
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下館はもともと城下町で商業都市でもあったのですが、合併により千年以上の歴史をもつ「下館」という地名は行政的には消滅したそうです。
その筑西市も現在では空洞化が進み、かつての商都はその地位を失ったかのようです。
▼地元の人たちは愛称で「お羽黒さん」と呼ぶことはあっても
「下館羽黒神社」とは誰も呼ばないそうでうす。
全国の羽黒神社同様、
山形の出羽三山の出羽神社の羽黒権現を1481年に勧請したものと伝わります。
全国に数多く存在する羽黒神社ですが、
旧下館市内にも同名の神社が多数あるそうです。
下館にあった城を中心に建立されたいくつもの神社が「常陸下館七羽黒」とも呼ばれていたのですが、
多数ある羽黒神社から「七羽黒」を特定することは難しいとも言われています。
いずれにしてもこの神社が規模も大きく「羽黒神社」の中心的存在であるようです。
それにしても
地理的には「羽黒権現」より筑波山の「筑波権現」が地元のはずですが・・。
その名の広がりは見えず、筑波は「筑波神社」だけでしょうか?
神社は謎だらけです。
▼鳥居に掲げられた扁額は「羽黒」の2文字がとんでもない書体になっていて、羽黒神社と知らなければとても読み取れません。
神社は映画「またいつか夏に。」のロケ地にもなっています。
地域発信型映画ですので、上映時間35分といいう短い映画ですが、筑西市全体がロケ地となって市内に住まう人々にとっては見慣れた風景が次々とスクリーンに映し出されるそうです。
▼エメラルドグリーンの屋根が印象的な美しい姿の拝殿。
いただいた由緒書きによりますと1634年に建立されたとあります。
拝殿はガラス戸が張り巡らされているので何度も改修されてきたのでしょう。
▼本殿もエメグリの流造りがとっても美しい。
▼こちらは羽黒神社の創建よりさらに古い歴史を持つ境内社の「愛宕神社」。
鎌倉時代作の神像や木造の狛犬が文化財として保存されているそうですが、
直接はみる見ることができないようです。
▼その代わりではないですが、愛宕神社の本殿の彫刻に歴史を感じ取りましょう。
▼小さな社は・・・
「秋葉神社」でした。
▼「うかのみたまのかみ」を祀る稲荷社は「大朋稲荷神社」と呼ぶそうです。
▼小さいけどスマートなキツネさんです。
▼本殿右手には「日限天満宮」。天神様の「日限」は初めてお目にかかりました。
相変わらず何の日を限るのか、「日限」の意味がイマイチつかめていませんが・・・.
▼神社の主祭神は大己貴命(大国主命)ですので境内に「大黒様」。
ネズミも一緒に並んでいますが、大国主命の神使とされているそうです。
日本の様々な神には、様々な動物が関わっていますが、
海外でもそんな例はあるのでしょうか?
やはり神話では数多く登場するでしょうが、
キリン、ラクダとかワニなどは考えにくいですね。
▼御朱印は授与所で気持ち良くいただけました。
▼神輿の何が「日本一」なのか分かりません。神社の神輿庫を覗いても何も見えませんでした。
しかし羽黒神社は、かつて繁栄していた城下町下館の歴史がチョッピリ見て取れました。