数年前の5月、この日は回向院門前が普段とは違い何となくざわついていました。
ここが目当てではなかったのですが入ってみました。
角塔婆が建てられ結縁紐が結ばれていました。
善光寺の出開帳でした。
せっかくだから、1年以上前の江戸三十三観音以来であった御朱印をいただきます。
さすがにこの時は並ばされましたが、それでも10分か15分位でガマンが勝ちました。
▼諸宗山 無縁寺 回向院の御朱印です。(浄土宗・東京都墨田区両国)
その1年前の2012年は何やら工事中で雑然としていたように記憶。
綺麗になって和モダンな建築物が完成していました。「新念仏堂」というらしい。
なにしろ人の数がすごい。さっさと退散しようとしましたが、もう一つ人だかりが出来ています。何事か? 頭から追い出せないミーハーな気が騒ぐ。
覗いた。数人の若者が大きめの白い石の塊を削っていました。
削られた石の粉を持ち帰っていきます。
こんなもの1年前にあったろうか? 鼠小僧次郎吉の墓石の真ん前です。
周りの案内看板などを見ると「こちらのお前立ちをお削り下さい」とあります。
「お削り下さい」とは何となく引っかかる敬語だが、まぁ、イイか。
甲子園の砂を袋に詰める高校球児の姿が頭に浮かんが、二つは相当かけ離れた思いだろうね。こちらはご利益狙いだろうけど、次郎吉、何のご利益だ? ある程度想像はつく。
後日ネットで調べました。ご利益、何でもありだった。オールマイティだった。金運、勝負運、スルリと入学の受験運、仕事運、持病平癒・・・パワスポデパートです。
以前は後ろに建つ硬そうな墓を削られていたが「このままで大丈夫かしら?」と次郎吉も正に身を削られる思い。
そこで寺院側が「お前立ち」を置く。削り取りやすい石で、当初は普通のどこにでもある墓石の形で、戒名もしっかり読める。
が、瞬く間に彫られ、戒名は消えてなくなり、全体も原型をとどめなくなる、何回も石を取り替える、という流れかしら?
強欲?な善男善女のパワーは、次郎吉が欲しいくらいかもしれない。
エンタメってところかなっ?
回向院もこれで訪れてくれる人が多くなったということでしょう。
寺社には気晴らし・余興、エンタメが必要です。
牛をナデナデ、びんずるさんをナデナデ、重軽石をアゲアゲ、水をかけてタワシでゴシゴシ!経蔵で輪蔵をグルグル、マニ車(後生車)もグルグル、御籤はガラガラ、そしてゴリゴリ削る石!
みなさん真剣には捉えないでしょうが、真剣に疑いもしない!
この時だけ欲張りになってどこが悪い!いっぱいお願い事をしてください。
ワタシは見るだけにしよっ!