「ばんなじ」です。
右上の最初に押された「國寶」の朱印が誇らしげです。
昨今、どういう訳か足利や桐生の寺社では限定御朱印といいますか、イラスト付きの御朱印授与の寺社が多く、賑やかに話題となっています。
ここ鑁阿寺も見開きの特別御朱印を授与されるなどの記事を目にしますが、さすがチープなイラストは用いないようです。
上記の2種類の御朱印をいただいた2016年は、まだそんな気配は全くありませんでした。
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▼鑁阿寺は栃木県南部の足利にありますが、有名な「足利学校」の北に隣接します。
現在は足利学校より「あしかがフラワーパーク」の方が有名かもしれません。
いやそれとも「八雲神社」がある「渡良瀬橋」が一番知名度が高いかもしれません。森高のオカゲで歌碑も出来ているのですから・・・。
▼寺はあの足利尊氏、足利氏の居館跡に建つので敷地は防御用の土塁と堀に囲まれています。
居館跡と記しましたが寺の案内は「足利氏宅跡」とされています。
「宅跡」とは言っても鎌倉時代ですので、その後の時代の「城」と同じ役目も持っていたのでしょう。
▼堀にかかる「太鼓橋」。
▼楼門は1564年、将軍 足利義輝の再建だそうです。
鑁阿寺は「ばんなじ」と読みますが、寺の知識がなく、看板にもルビがふってなければ読むのは難しい「鑁」の文字です。
「鑁」の文字に意味はなく、サンスクリット語の発音を感じに当てはめただけだそうです。もともとVANA寺であり、バンナ寺でもある訳です。
とは言え一般人は「バン」を「鑁」に当てはめることさえできません。
「バン」は番、晩、盤、蛮などの当て文字しか浮かびません。
▼真言宗の寺では「金剛山」と呼ぶ山号が多いのですが、この額も「剛」の字が読めないですね。
▼国宝に指定されている本堂は、1197年に建立されたものが焼失され、尊氏の父の貞氏が1299年に再建したものだそうです。
▼重くのしかかるような、威張っているような屋根が印象的です。これも禅宗様とか。
▼本堂内の幔幕は足利氏の紋「足利二つ引」というそうです。この奥に大日如来がいらっしゃるようです。
御朱印をいただいた「聖観音」もこの内陣左の厨子内に安置されてるそうですが、金網がある内陣はよく見えませんでした。
▼不動堂も歴史のありそうな風貌をしています。
▼以下、多宝塔と鐘楼。
掲載写真のほか、足利氏の氏寺 鑁阿寺は見どころタップリですので、時間に余裕を持って訪問するのが賢明でしょう。
▼旧来は尊氏もここ足利の生まれと言われてきたそうですが、その証拠が乏しく現在では京都の綾部市が出生の地とされています。
▼南無遍照金剛! この方の出生は讃岐国ですね。