2つ前の「阿字観」「アジ」記事の続きをUPするつもりが、
直前の記事は、御朱印巡りに出かけず、画像のUPもできない、その弁解のようなものと、昨今の御朱印に対する老人のグチのような内容を挟んでしまった。
軌道修正して、安物の食べ物の話に戻る。
七福神の名称は、縁起の良さから昔からよく店舗名にも好んで使われてきた。
曰く「ほてい家」「えびす家」「毘沙門」などだが、
表記は「布袋」「エビス」「Ebisu」「びしゃもん」などと、かな、カタカナ、漢字、英字とさまざまだ。
七福神の中でも寿老人や福禄寿、弁財天などは店名としてはあまり見かけないように思う。
▼中でも一番多く見かけるのがこの方「大黒」「ダイコク」かもしれない。
酒屋、質屋、和菓子屋、ラーメン店、日本料理店、買取屋、はては、ドラッグストアまで、数え上げたらキリがなく、各店にその名で貢献している「大黒」だ。
▼「大黒・ダイコク」は、寿司店に使用されているのも度々見かける。
暖簾が仕舞われていて反転して裏返し文字だが「大黒鮨」。
▼看板ならその名称が良くわかる。
このカンバンは東京23区内の店だが電話の局番が3桁のままだ。
東京の局番が4桁になったのは1991年。
ということはこのカンバンは32年以上、ヒビ割れも見せず現役で頑張っているのだ。
もちろん店の創業もそれ以上だろう。
今年の春、当ブログの仕事用officeが都心部を追われ、江戸川区の自宅最寄駅近くに移転。都落ちだ。
この鮨店は、その街の同じく駅近くにあるが、これまではランチも飲み会も都心部がほとんどで、住まいである地元の店は多くを知らない。
小さなビルの1Fにある、この「大黒鮨」も知らなかった。
店構えといい、このカンバンといい、決してオシャレではなく、昭和感が醸し出されていて、一見では入ってみようという誘惑に乏しい。
▼ところが、カンバンの裏を見るとランチメニューの案内「アジ丼」とある。
アジは「タタキ定食」「焼き魚定食」「刺身定食」などは目にするが「アジ丼」は、あまり見かけない。
丼のその姿は想像できるが鮨屋にメニューとしてはブリ、テッカは分かるが
「オヤコ丼」も同等扱いされているから「どんなものか?」と疑いたくなる。
しかしヒカリモノ好きを自称する本ブログ、入ってみないわけにはいかない。
値段も手頃だし、長く営業している店だから大きな失敗はないだろう。
▼暖簾も外に出されて営業時間になった。
店内はカウンターの横に小上りがありテーブルが3つほどで、やはり昭和か平成のままという感じ。
▼カウンターに座り、こちらのメニューは平仮名になっている「あじ丼」をオーダー。
▼お茶とオシボリとサラダが出てきたから、ついでに「生小」をオーダー。
最近はランチにビールをオーダーすることはめっきりなくなったどころか、
ボンビーの身で外食も控えてるほどだ。
しかし、やはり昼ごはん前の一杯のビールはウマイ。
と言うか、暗くなってからは当たり前のビールは、明るいうちに飲むのがサイコーなのだ。同じビールだが昼の方がウマイ! ウマイと感じた分だけ安いのだ。
▼出てきた!
シジミの味噌汁と「アジ丼」だ。
カウンター内で丁寧に刺身にされ綺麗に盛り付けされている。
ノリ、大葉、カイワレ、ネギ、小ネギ、生姜に柴漬と、薬味も見事だ。
食べた!
月並みな感想だが、脂が乗っていて甘味があり、プリプリだ。
御朱印レポは慣れているが、食レポは苦手だからこれ以上書けないが
店を出る時、
「久しぶりに美味しいアジをいただけました。ごちそうさまでした」と
会計時に自然に口から出た。
店構えに似合わず、大正解の店だった。
後日、リピートしたのは言うまでもなく、別メニューをオーダーしているヒマがない。
だが、一度だけ「にぎり」をオーダーした。
ヒカリモノの美味しい店が、他のネタも負けるわけはない。
さらに貝類を具にした味噌汁もサイコーで、サラダ小鉢付きとなればコスパもサイコー。
▼こんな店と巡り合ったのも、店名どおり「大黒」さまからの贈り物だ。
唐突に掲載したのは弁財天で知られた「上野 不忍池 大黒堂」の御朱印。
▼数年前は不忍池 弁財天は人気でも、向かう人の少なかった大黒堂も昨今は賑わう。
「大黒天」に人々は開運、出世を願うのだろう。
本ブログは
「大黒鮨」に変わらぬヒカる味を願うことにしよう。