▼今宮神社の御朱印(2020年)。
▼2020年の授与所には6種類の御朱印案内。
2014年から種類は多くなりましたが、
ハデな色使いをせず、朱と墨だけで構成された好ましい御朱印は変わりありません。
▼今宮神社の御朱印(2014年)。
▼今宮神社「役尊神祠」の御朱印(2014年)。
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▼今宮神社へは「秩父駅」近くの「秩父神社」から徒歩数分の場所に鎮座します。
「秩父神社」や「秩父三十三所観音霊場14番札所 今宮坊」に参拝と同時に訪問されることの多い神社でしょう。
その「今宮坊」は、ほとんど神社と隣接していますが、
明治以前は神仏習合で同じ境内にありました。
▼そんなことから一般の神社とは少し違う空気感が漂う境内です。
神社入り口に鳥居はなく、2本の社号標が注連縄で結ばれています。
一つは「今宮神社」、もう一つは「大宮山 八大龍王宮」と記されています。
▼入り口から入るとすぐに朱色の橋がかかる「龍神池」が水を湛えています。
「武甲山の伏流水」が湧き出て「平成の名水百選」に選定されています。
毎年4月の水分祭ではこの水が「秩父神社の御田植祭」に使われるそうです。
ということで「秩父神社」とも関わりの深い今宮神社のようです。
▼龍神池のそばのご神木には「龍上観音」。「龍神観音」とも呼ばれるそうです。
▼たくさん抱いている邪念が払われるようにと橋を渡ります。
本殿に向かう前に、右に回り込んでみます。
▼「弁財天社」と「稲荷社」が並んでいます。
▼小さなキツネさまは愛嬌のある姿で、トンガっていません。
▼さらにその先の小高い場所に道が伸びています。
▼小高い頂きに建つのは「馬頭観音」。
▼2014年に御朱印をいただいた「役尊神祠」は平成に入ってから建てられています。
▼以下2枚は雪が残る2014年冬の撮影。
▼上の旧社殿はこじんまりとして、少し寂しい感じがしまたが、2019年には、こんなに明るく立派になりました。やはり朱色は人の心を高揚させます。
神社は古来から「伊邪那岐大神・伊邪那美大神」が祀られていて、
8世紀に入ると役小角が「八大龍王」を祀る「八大宮」を建立したとされています。
その後、弘法大師が訪れ仏教寺院としての性格が強められ、
「大宮山 満光寺」「長岳山 正覚院金剛寺」と呼ばれていた時代もあったそうです。
さらに降って、1535年、疫病対策として京都の今宮神社から須佐之男命(牛頭天王)を勧請して「今宮神社」が創建されました。
そして神仏混淆域全体を「長岳山 今宮坊」と称するようになり、
明治に入って「今宮観音堂」を切り離し「今宮神社」となったそうです。
神社の生い立ちと歴史は、かなりややこしいのですが、
明治以前は神も仏もいた一大霊場だったのでしょう。
そして現在は、そんな過去の神仏の賑わいを取り戻そうとするかのように、境内の整備が進められているのでしょう。
6年ぶりの訪問でしたが、当時の雰囲気が変化してきたことを感じます。
▼龍神池と同様に武甲山の伏流水が湧き出る「清龍の滝」の周りにも観音像が。
やはり神社であり、寺院でもあるような錯覚を抱かさられます。
何でもありで「銭洗い」のご利益もあるそうです。
▼こちらも2014年にはなかった「天満宮」です。
ますます神社が発展していく姿を感じさせられます。
この際一層の事、札所14番の「今宮坊」も
ここの境内と地続きになれば、霊場がさらに理解しやすくなるかもしれません。
撫で牛も、妙にリアルな作りの犬もマスクです。
動物は感染しそうにないCOVID-19ですが、参拝の人々への啓蒙でしょう。
▼境内には樹齢1000年とされるケヤキの巨木は「龍神木」と呼ばれます。
神社は「八大竜王宮」とも呼ばれるだけあって、すべて龍と繋がっているようです。
ちなみにwiki によると、
八大竜王(はちだいりゅうおう)は、天龍八部衆に所属する竜族の八王。法華経(序品)に登場し、仏法を守護する。 霊鷲山にて十六羅漢を始め、諸天、諸菩薩と共に、水中の主である八大竜王も幾千万億の眷属の竜達とともに釈迦の教えに耳を傾けた。
調べなきゃよかったと思えるほど難解な説明でしたが、仏教に端を発するようです。
一千年以上ある神社の歴史を、その半分以上は見つめ続けてきたケヤキは、
まるで両手を掲げて、蘇った神社の隆盛に雄叫びをあげているような枝ぶりです。
▼そんな猛り立つ神木の勢いを鎮めるかのごとく静かに立つ「聖徳太子像」。
今宮神社は、秩父神社・宝登山神社・三峯神社の「秩父三社」に匹敵するような、
秩父訪問時には必見の神社になったように感じました。