▼白子神社の御朱印です。(千葉県長生郡白子町関5364)
神社名の読みは「しらこじんじゃ」で、主祭神は「大己貴大神(大国主大神)」です。
御朱印右上の印「房総随一 北辰大帝」の「北辰大帝」とは、
玄武・青龍・朱雀・白虎の「四神」のうち、北を司る「玄武」を指しているようです。
「玄武大帝」とか「北斗神」とも呼ばれるそうです。
中央上の亀のようなイラスト印が「玄武」。
墨書きも中央の朱印も神社名ではなく「正一位 白子大明神」となっています。
全国のほとんどの稲荷神社などは「正一位 稲荷大明神」としているので、
現在では、神階「正一位」や、尊称「大明神」に文字が持つ本来の意味からは遠のいているようです。
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▼神社から3、4kmで海岸、太平洋です。海岸沿いに「九十九里有料道路」があります。
(写真【photoAC】)
道路は南の「一宮町」から北になる九十九里町「片貝」まで約17kmがほぼ一直線。
ETCが使えないというショボイ有料道路ですが、深夜は無料になります。またI.C.によっては係員のいない時もあります。
サーファーの多いシーサイドラインは「波乗り道路」とも呼ばれていますが、道路を走っていて海が見える区域は、北部分の半分くらいだと記憶します。
▼「波乗り道路」という言葉で、御宿の「波乗り観音」を連想させられました。
▼「九十九里浜」は99里(396km)もなく約66kmです。「九十九折」や「九十九島」などの表現と同じ意味です。(写真【photoAC】)
全く東を向いている「九十九里浜」ですが、夕陽が沈む景色も見られる場所も一部あります。
大昔「Mi-ke」という3人の女子グループが「想い出の九十九里浜」をヒットさせています。
グループサウンズのパロディ曲は、無料で千葉と九十九里に大きな宣伝効果を発揮してくれたかもしれません。
しかし、所詮チバは「千葉」でしょう。
▼その「九十九里」は、かつては「干鰯(ほしか)」作りが盛んでした。
(写真【日本財団図書館】)
現代のような冷蔵・冷凍技術がなく、輸送手段も貧弱だった江戸時代から、1960年代頃までは、天日と砂浜からの照り返し熱を利用してイワシを干して「干鰯(ほしか)」にしていました。
それは人間サマの口に入るのではなく、肥料として江戸・東京などに売られていたそうです。
その半端ではない「干鰯」は、片貝など九十九里の漁師たちに経済的な豊かさをもたらしたそうです。
しかし、化学肥料に取って代わられ、干鰯づくりも全盛期を終えます。
▼それから半世紀あまり、もともと上等扱いされなかったイワシたちも徐々にその地位をあげつつあります。(以下、イワシの写真は【photoAC】)
もうかつてほど大量に獲れなくなったのでしょうか?
それでも、とてつもなく安かった時代がありました。
▼白子神社は「正一位」ですが、鰯の丸干しは「従五位」位だったかもしれません。
▼大量に獲れなくなったイワシは徐々値段も上がり「ナメロウ」でもいただける環境では位階も上がり「従三位」ほど?
▼さらに鮮度が必要な刺身は、もう「従一位」間違いないでしょう。
現在でも「九十九里」周辺では美味しいイワシ料理を提供する店が数多くありますが、「イワシ刺身」は単品で800円以上、定食で1000円以上と、値段だけは「従一位」になっています。
もちろん「正一位」は、みんな大好き「まぐろ」かもしれません。
話を神社に戻します。
▼最高位「正一位」白子大明神」は、1048年の創祀と伝わりますので、1000年の古社ということです。
もともとは、もっと海岸寄りに鎮座していたそうです。
神社にまつわる白い亀と、白い蛇の伝説から「白子」となったのでしょうか?
「白子町」となったのは、神社名からであることは間違いないようです。
地域が豊かでないと社殿も貧弱にならざるを得ません。
▼もしかしたら鰯の力による本殿の華美さかもしれません。
▼社殿右手の境内社は「面足神社」。
▼なんと「イケメンさま」と案内がありました。
現代の白子神社は「パワースポット」であり「縁結び」であり「イケメンさま」です。
あまりに軽い媚びに、少し白(しら)けも感じます。
白子神社だけの話ではなく、責めるわけではありませんが・・・。
黙って聞いて、イワシておけば神社の話が少ない!
さらに余談の余談!
▼昔、九十九里に、見かけだけはこんな素敵なリゾートっぽい宿泊施設があり、2、3回利用していました。
この施設の部屋から見えた「海を見ていた午後」は横浜に負けず劣らずステキだったのに、
施設は生き残りの方向にハグレてしまったようです。
2021年現在はどうなっているのでしょう?
白子神社訪問で蘇る「想い出の九十九里浜」でした!