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2013年、どうして短歌で見開きの御朱印という発想になったのでしょう?
柔軟な頭でなければこのスタイルを築けません。
当時、そのように感動しました。
その頃から見開きの御朱印はあることには、ありました。
数は少ないものの出羽三山神社や伊佐須美神社などを代表するような、大きな朱印に神社名も大きくというようなスタイルでした。
要するに単に見開きにしただけのようなスタイルです。
また本尊の代わりに歌を墨書きする寺も幾つかありました。鎌倉の常栄寺や木更津の證誠寺でした。
しかし、宮司さん自らの作である短歌をしたため見開きの御朱印で授与。
このスタイルは江北氷川神社だけのものでした。
何よりも、達筆なのにワタシでも読める文字種使いと、ワタシでも理解できるやさしい内容が好ましく、宮司さんの人柄が伺い知れました。
翻って2019年、泥濘に氾濫する見開き御朱印に大きな感動はありません。
エスカレートするギラギラ、キラキラ御朱印は見開きでスタンプ、イラストであふれていますが、感動には限界があり、チープさだけが際立ちます。
そしてそれらの御朱印の多くは「品格」を捨ててしまったかのように思われます。
神社、寺院も時代とともに柔軟な発想を展開しなければ、人々が集まり、心の拠り所となる空間であるばかりか、その維持さえ覚束なくなります。
しかし、柔軟さは「軽さ」だけでは NG でしょう。
そんな成否は10年後、20年後でしかジャッジされないことでしょうが、今後も江北氷川神社の朱印が余計なスタンプ、イラストを必要としないことを願います。
まぁ、御朱印が「ハデさ」とか「好み」を語られる事が多くなっているなかで、ムキにはなりませんが。
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厚労省などによる2013年の、ちょっと古い統計ですが、足立区は東京23区で住民の平均年収が一番低く、ワースト1です。一番高いのは港区。
また足立区の男性の平均寿命は78.5歳で23区中19位。ワースト1は荒川区で77.8歳、1位は杉並区の81.9歳で何と4歳以上の差が出ています。
細かく見ると小学生の虫歯率、成人の糖尿病患者数は足立区がワーストです。
収入と寿命は23区では「西高東低」の位置関係にあるようです。
この数字は「健康格差」を表しているのですが、WHOも格差を生み出す要因として所得、地域、雇用形態、家族構成の4つを挙げていて、中でも特に所得が深く左右させているそうです。
東京23区でもその姿が如実に表れている事になります。
「健康もカネ次第」と言う、ジョーダンなような統計ですが、御朱印と、今回記事の氷川神社とは何の関係もありません。
単に足立区に鎮座するという共通点だけですが、よく考えると寺社の地域格差、また御朱印の内容による格差がある事は言えるかもしれません。
▼江北氷川神社は微妙な位置にあります。覆い被さるような首都高が相当な圧迫感を与えています。
ところで、江北氷川神社の「江北」は、港北ではありません。城北でもありません。
恥ずかしながら、つい最近まで「江北」の「江」が何を意味するのか、全く意に介しませんでした。
「港北」や「城北」は文字通り港の北、城の北で、見た目通りに理解できます。
しかし「江北」は江の北です。
意識してみれば、江が何を意味しているのか、普通はすぐに分かることでしたが。
という事で神社へは、王子駅か西新井駅からバス利用になるアクセスの良くない「江北」です。
しかし交通の不便さを押しても、
「みどりなす森のやしろにもうでしは」御朱印とともに価値の大きな訪問となる事でしょう。