武蔵野三十三観音の御朱印❶
1番 長命寺・2番 道場寺・3番 三宝寺
4番 如意輪寺・5番 多聞寺・6番 全龍寺・7番 徳蔵寺
「武蔵野」?
たびたび耳目に触れるから慣れた言葉だが、イメージだけが頭に浮かぶものの、その内容は人によって全く異なるように思う。
広葉樹の明るい雑木林、秋は黄葉、冬は枯木になる、今は失われた里山的風景がイメージされる。
言葉通り「武蔵野市」と言うのがある。
武蔵野市は東京23区に住む人間には、吉祥寺と言った方が手っ取り早く伝わる。吉祥寺が若者たちにも人気の街のせいか、23区を除いた都下で人口密度が最も高いそうだ。1キロ平米に約13,000人とかだが、ピンとこない。100m四方に130人で、やっと何とか想像できる。
人口密度の高さは武蔵野のイメージとはかけ離れる。
三鷹に住んでいた太宰は、愛人と玉川上水で入水自殺している。この自殺は謎が多いようだ。増水していたとはいえ、現在の玉川上水からは考えにくい。
三鷹周辺も今や武蔵野のイメージとは遠い。
近くの井の頭公園や小金井公園なら、その面影をムリムリなら見つけられる?
さらに、国木田独歩の短編「武蔵野」、これも言葉通り。
100年前の作品だ。昔読んだ。ほぼ内容は忘れた。
短編とはいえ、武蔵野の自然だけをよくもこれだけ語れるものだ、と驚きだったが、退屈でもあった。しかし絵画か映像のように武蔵野のイメージを伝えてくれる。
万葉集にもうたわれている。
「武蔵野は月の入るべき山もなし
草よりいでて草にこそ入れ」
平安時代から武蔵野の名称はあったようだが、当時は林もない原っぱ、草原の起伏が広がっていたのか? まさに「野」だったのか。
▼その頃からおおよそ千年後の1940年、昭和15年に開創された「武蔵野三十三観音霊場」。
歴史は浅い霊場だが、この年2015年は御朱印に「開創七十五周年」の印が付け加えられていた。
▼1番 東高野山 長命寺 真言宗豊山派(東京都練馬区高野台3-10-3)
▼2番 豊嶋山 道場寺 曹洞宗(東京都練馬区石神井台1-16-7)
▼3番 亀頂山 三寶寺 真言宗智山派(東京都練馬区石神井台1-15)
▼4番 光明山 如意輪寺 真言宗智山派(東京都西東京市泉町2-15-7)
▼5番 宝塔山 多聞寺 真言宗智山派(東京都東久留米市本町4-13-16)
▼6番 安松山 全龍寺 曹洞宗(東京都清瀬市中清戸1-524)
▼7番 福寿山 徳蔵寺 臨済宗大徳寺派(東京都東村山市諏訪町1-26-3)