今回は「元祖山手七福神」。
しかし、いただいた御朱印には「江戸最初 山手七福神」となっています。
正確には「山手七福神」なのでしょうか?
「元祖」と名付けるのは「こちらが古い、本家、本物だよ」と言っているわけですが、意識しているのは、東京の七福神で他に山手はないから、もう一つの「山手七福神」新宿でしょう。
それぞれの起こりは新宿は昭和に入ってからの事とかで、一方、元祖山手の蟠竜寺には江戸中期、安永四年の七福神を表す標石があるそうですから、どちらが古いかは明白です。
それでも悲しいかな敢えて「元祖」「江戸最初」と冠をつけなければならない?! しかもこの「江戸最初」というのには異論もあるそうですだ。
両七福神の人出数の統計などないでしょうが、ここのところの七福神人気のなかでは、地の利か、PRがうまいのか新宿の方がやや人気がありそうです。年間を通して御朱印をいただけるという事も親しみやすいかも。
臍曲居士としては、元祖、本家、本元、最古、 発祥、最初という文字に遭遇しても最初から無条件では信用しません。
古いことが、歴史があることが、一番最初であることが、なんでもベターであり、正しく正解であるとは言い切れないからです。
それをあまり強調しすぎると滑稽に見えてきます。
街中の蕎麦屋ラーメン屋の店頭で見かける「手打ち」の文字や幟と同じです。「手打ち=美味しい」はありえないのです。機械打ちで美味しいラーメン、蕎麦はいっぱいあります。下手な職人の手打ち蕎麦など食べたくもないのです。
相変わらずヒネクレた見方かもしれません。
「元祖山手七福神」も遠慮がちに小さな声で「ホントは私たちが最初なのよ」「だからこちらにも目を向けてみてね」という程度のアピールかもしれない。
だって、全く個人的な感想ですが、「元祖」のほうが魅力的な寺が揃っています。すべて寺で構成されているのも好みだし・・。
そして、もう4年以上も前のことになりますが、この年に巡ったのは1月の16日、確か平日でした。この時は七福神の受付期間内だったのか、期間外でもダメモトと思って訪れたのか確かな記憶がありません。
いずれにしても各寺は親切丁寧に対応していただきました。
特に覚林寺、大円寺、蟠竜寺の3寺は、こちらが恐縮してしまうような、嬉々とした笑顔で「はい、ご本尊もね、少しだけお待ちくださいねっ」とういうような調子でした。さすが「元祖」です。
この時は元祖を何の疑いもなく、思っきし信じました!
手打ちも、機械打ちも麺が美味しければ信じます。
元祖も対応が良ければ、美味しければ、安ければ信じます。都合の良い勝手な解釈です。
▼さて、元祖の6寺です。まずは白金の覚林寺。
▲同時にいただいたご本尊の御朱印。日蓮宗だから御主題もいただけるようです。
▼瑞聖寺は禅寺らしい凛とした佇まい。
▼妙圓寺では本尊の御朱印をいただくことは叶いませんでした。
▲福禄寿・寿老人/誠瀧山 妙圓寺・日蓮宗・東京都港区白金台
▼目黒は行者が行き来した坂「行人坂」を振り返ってみました。
▲同じく本尊の御朱印。
▼元祖の寺、蟠龍寺は江戸名所図会にも紹介されています。
こんな時代の境内に迷い込んでみたいものですね。
▼岩屋におわします弁財天。
▲辨才天/霊雲山 蟠龍寺・浄土宗・東京都目黒区下目黒
▲同 ご本尊印。
▼最後は目黒不動。
▲恵比寿神/泰叡山 瀧泉寺(目黒不動)・天台宗・東京都目黒区下目黒
▲同上、結願成就印。
▲関東三十六不動 18番の御朱印。
東京新宿と白金目黒に2つある山手七福神、どちらも魅力があります。
どちらも未体験で、もし新年にどちらか1つしか巡られないとしたら元祖を選びましょう!
充実した満足できる七福神めぐりができます。きっと!
その場合、白金 覚林寺から巡って終点を目黒にすべきだろうね!
たとえお一人様でもゆったりと時間を過ごせる店々があるからね。