/


にほんブログ村 コレクションブログ 御朱印へ
にほんブログ村

御朱印迷宮

関東を中心とした寺社の御朱印記録です。参拝・収集目的に少しでも役立てば幸いです。

金刀比羅宮の御朱印(香川県) 〜犬の伊勢参り! 金比羅さんにもワンコが?!

伊勢参りの犬は有名です。

 

伊勢参り、お蔭参り、抜け参り、みな同じだが微妙に異なる表現がたくさんあります。それだけ伊勢詣は大きな話題と、庶民のあこがれだったわけです。

 

代参でワンコが往復何千キロも歩いて、お札をいただいて帰ってきます。

現実にあったとしても、まだ日本がおおらかで、のどかな時代だった時のメルヘン。

f:id:wave0131:20170908110234j:plain

「初めてのお使い」どころではないのです。

動物の帰巣本能はあると仮定しても、行った事のない、見当もつかない伊勢を目指さなければならない。

首に伊勢詣の木札をぶら下げているとしても、ワンコにしてみたら何とも心細い旅だったはず。

 

アリガタイ事なのか、メイワクな事なのか、ワンコにもよく分からない。引き返したい気持ちを押し殺して主人のために出発します。

しかし、現在も四国に残っているお遍路さんに対する「お接待」のように、一目で伊勢参りの代参である姿をしていれば、ワンコは次々と施しを受けたり、人と同道したりして、伊勢にたどり着いた事でしょう。

 

犬の代参は伊勢詣だけかと思ったら、金比羅詣もしていたようです。

江戸時代「こんぴら狗」と呼ばれていたとか。

伊勢も金比羅も当初、犬は穢れとされており境内には入れなかったはずですが、代参と理解されるや、犬は境内に入る事を許されたそうです。

f:id:wave0131:20170907194019j:plain

江戸時代には、そんなハートウォームな出来事が話題となり、多数の目撃談が出たり、浮世絵などにも描かれています。

 

明治に入ってからは、この話はプツンと消えて無くなります。

飼い犬のシェアを洋犬が拡大し始めたせいか、日本人の犬の飼い方が変化したのか、はたまた整備された交通のせいか、定かでありません。

 

東京区内に飼われている我が家のワンコなど、伊勢、四国は外国です。

10km先の虎ノ門金毘羅宮さえも無理です。

帰巣本能も、集合住宅の10階ともなると、帰ってくる事さえ怪しくなる情けなさ。

何かのアクシデントで、我が家とは途方もない距離のある場所に置かれた犬が、何日も何週間もかけて、飼い主の家に戻ったという話は度々ニュースなどになります。

 

珍しい事だからこそニュースになります。現在の室内犬は、ちょっと目を離すと、即迷子犬となってしまうのも、やむをえない事かもしれません。

 

我が家のワンコの首には伊勢詣の木札ではなく、名前・住所・電話番号が記された札がぶら下がっています。

たまに人間にも同じような内容が記された札を、ぶら下げている人を目にします。

高齢化社会ですので・・・。

 

現代は我が家に帰ることさえ怪しい犬や人間が増え始めた、そんな時代?なのかしら?!

 

▼こちらは東京・虎ノ門金刀比羅宮

f:id:wave0131:20170907193412j:plain

虎ノ門 金刀比羅宮御朱印(東京都港区虎ノ門f:id:wave0131:20170907192925j:plain

 ----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

▼四国は香川県の本家です。

f:id:wave0131:20170907193243j:plain

f:id:wave0131:20170907193601j:plain

f:id:wave0131:20170907193623j:plain

f:id:wave0131:20170907193719j:plain

f:id:wave0131:20170907193744j:plain

f:id:wave0131:20170907193914j:plain

金刀比羅宮御朱印香川県仲多度郡琴平町

f:id:wave0131:20170907193052j:plain

 

秩父34観音の御朱印❹/13番 慈眼寺〜20番 岩ノ上堂 〜そうだ京都へ行こう! どうだ? いや遠い! 秩父へ行こう!!

正確には「そうだ京都、行こう。」だ。1993年から始めているJR東海のキャンペーン、キャッチコピー。

このコピーは効いたね。名コピーだ。

f:id:wave0131:20170906191229j:plain

京都が売れた影響力は、永六輔より大きいかも?

昨年からは「そうだ京都は今だ」になっているそうだが、未だ耳に、目に残っていない。

「今でしょ」じゃ軽い! 迷コピーだ。

 

しかし、いかんせん京都は東京からは遠い。距離も遠ければ、金銭的にも遠い。

日帰りは考えられない、1泊ももったいない、最低2泊したい。ビンボー症だ。

だが、いろいろ制約がある中、条件さえ合えば交通費とホテル2泊で2万円前後のものもあるが、ほとんどが飛行機利用だ。新幹線利用だと、3万円前後か?

さらに仕事を持っている人は週末や連休でないと予定が取れない。そうなると旅行代金も跳ね上がる。

この数値は交通費&宿泊費だけだ。3日間の飲食代が加わる。

さらに、さらに、ワシらには御朱印代、御朱印帳代は納得するとしても、拝観料が高い。800円なんて寺もあるが平均500円ほどだ。御朱印目当ての人は最低でも1寺1,000円前後置いてくる事になる。1寺で御朱印を4つも5つも戴いたら2,000円だ。

そうだ京都、遠い!

御朱印目当てで、東京からピストンで、何回も行けるところではないわ!

 

ピーピーで生活している者は、御朱印などに興味を抱かない方が賢明かもしれないが、同じ御朱印目当てで訪れる街、鎌倉・秩父は近い。

東京駅からの交通費も鎌倉は1,000円弱、秩父は最安ルートを辿れば1,150円。どちらも往復金額にしても大した金額ではない。ピストンで出かけたとしても苦にならない金額だ。

日光だと、もう少し必要になる。どんなに安いルートを探しても往復3,000円は下らない。

どれも安いルートを辿れば、乗り換え回数と時間を犠牲にすることになる。

 

それにしても、御朱印集めをしていると、東京に住んでいることに感謝すべきかも?

都内に御朱印がいただける寺社は数知れない。秩父、鎌倉、日光、どこも遠くない。

北海道や、東北北部、九州南部在住で御朱印趣味の人はどうするのよ?

「京都は遠い」なんて言ってられない。どこも遠いのだ。

 

地方の御朱印収集人は、秩父三十四札所を巡るには、よほどの覚悟が必要となる!?

定年退職後で、時間、経済面に恵まれた人で、西国33、東国33を巡り終え「百観音を目指す」という事ならば想像ができなくもない。

鎌倉なんて、とてもユックリしていられない。

頑張っても、東京に出てきたついでに1日費やすのが精一杯だろう。

 

東京在住の御朱印収集人は、恵まれている事と感じ、秩父巡りをすべきでしょうね。

 

明るいうちは蝉が鳴き、日が暮れれば、草むらから虫の音が聴こえる。誰もが今年は秋が早いように感じる。初秋の秩父は、きっと気持ち良く歩けるに違いない。

f:id:wave0131:20170906163331j:plain

f:id:wave0131:20170906163334j:plain

13番の納経所で御朱印帳に綴じてある用紙を間違って、14番のページを渡してしまった。対応いただいたのは確か年配の女性だったと記憶。彼女もワシも気づかず、揮毫いただいて用紙を受け取った。

14番に行った時、なんてこった!

14番の用紙はすでに御朱印で埋まっているではないか!

アホだった。

幸い14番には差替え用の用紙がチャンと用意されていた。

そのまま先の札所に向かい、後日改めて13番の用紙に正しい?13番をいただいた。

f:id:wave0131:20170906163340j:plain

13番 旗下山 慈眼寺曹洞宗・埼玉県秩父市東町

 

f:id:wave0131:20170906163341j:plain

f:id:wave0131:20170906163333j:plain

14番 長岳山 今宮坊臨済宗南禅寺派・埼玉県秩父市中町

 

f:id:wave0131:20170906163342j:plain

f:id:wave0131:20170906163335j:plain

15番 母巣山 少林寺臨済宗建長寺派・埼玉県秩父市番場町

 

f:id:wave0131:20170906163343j:plain

f:id:wave0131:20170906163337j:plain

16番 無量山 西光寺真言宗豊山派・埼玉県秩父市中村町

 

f:id:wave0131:20170906163344j:plain

f:id:wave0131:20170906163338j:plain

17番 実正山 定林寺曹洞宗・埼玉県秩父市桜木町

 

f:id:wave0131:20170906163345j:plain

f:id:wave0131:20170906163336j:plain

18番 白道神門寺曹洞宗・埼玉県秩父市下宮地町

 

f:id:wave0131:20170906163346j:plain

f:id:wave0131:20170906163339j:plain

19番 飛渕山 龍石寺曹洞宗・埼玉県秩父市大畑町

 

f:id:wave0131:20170906163347j:plain

f:id:wave0131:20170906163332j:plain

20番 法王山 岩之上堂臨済宗南禅寺派・埼玉県秩父市寺尾

 

秩父は四季を通して楽しい。暑い夏も、極寒の冬も、それぞれ楽しみ方はある。

しかし、春と秋が一番である事は他の地と同じだ。

秋の七草を見つけながら、秩父路をゆっくり歩けたら、京都とは別なものを発見できる。

そうだ秩父、行こう。

恵林寺の御朱印・本能寺の御首題(甲州市・京都中京区)〜山梨はブドウが弾ける、栗が爆ぜる! 信長も爆ぜた?

フルーツ王国、甲府の秋はブドウが弾けてる。

国道・街道沿いに、のぼりやカンバンが夥しい。桃はそろそろ終わり、今はブドウが真っ盛りです。

もうしばらくはぶどう狩りが楽しめます。

f:id:wave0131:20170904172031j:plain

そのあとはボジョレヌーボー。今年は11月16日(木)だそうです。

ワインは好きですが、ヌーボーか古酒か全く分からない。

1本500円のワインも、5,000円のワインも同じ。ガブガブ飲んで、プカプカに酔います。

 

少し先ですが、そんな季節、11月には山梨の寺々も紅葉に包まれます。

f:id:wave0131:20170904190139j:plain

f:id:wave0131:20170904172020j:plain

とはいうものの、甲斐の虎、信玄の菩提寺、ここ恵林寺は11月2日の写真。

紅葉には少し早い? それとも常緑樹が多いのかしら?

あまり魅力的な紅葉になってないわねぇ!

それにしても甲府の寺社は、その多くが武田家と関わりがあります。

歴史好きには魅力的な土地でしょう。

f:id:wave0131:20170904172024j:plain

f:id:wave0131:20170904172021j:plain

再建されたものですが、有名なこの山門。

「安禅必ずしも山水を須いず、心頭を滅却すれば火も自ら涼し」

の漢文が門の両サイドに掲げられています。

今からおよそ4、5百年前、天正10年4月3日に信長が爆ぜた!

敗れた武田軍が逃げ込んだ恵林寺は、織田軍の焼き討ちにあいます。

山門に閉じ込められ、焼き殺された数、100人とも、150人とも言われています。

 

🎶 A CHI CHI ACHI 燃えてるんだろうか・・・

郷ひろみに聞かなくとも、アツイに決まっています!

栗が焼かれて爆ぜるのとは違います。

人が焼き殺されるほど残酷なものはないはず。

f:id:wave0131:20170904172022j:plain

f:id:wave0131:20170904173251j:plain

f:id:wave0131:20170904172033j:plain

f:id:wave0131:20170904172032j:plain

 

乾徳山 恵林寺御朱印臨済宗妙心寺派山梨県甲州市塩山小屋敷f:id:wave0131:20170904172017j:plain

 

 

所は変わって京都。

恵林寺が織田軍に焼き討ちにあった、わずか60日後、皮肉にも信長が火の中に没します。

因果応報?

f:id:wave0131:20170904172030j:plain

現在の本能寺は、このアーケードに入ると、すぐ左に門を構えています。

信長が襲われた当時の本能寺は、こことは異なる場所にあったそうです。

f:id:wave0131:20170904172029j:plain

f:id:wave0131:20170904172028j:plain

f:id:wave0131:20170904172027j:plain

f:id:wave0131:20170904172025j:plain

f:id:wave0131:20170904172026j:plain

 

本䏻寺の御首題。(法華宗本門流大本山京都市中京区下本能寺前町

 

f:id:wave0131:20170904172018j:plain

 

本能寺ではなく「本寺」となっている。

何度も焼き討ちに会い、もう、ヒは去って欲しい、御免被りたい、という意味だそうです。

光秀も、信長、勝頼もみんな、夢幻の如く去っていきました。

 

昨夜はワインの飲み過ぎ。

ブログ更新が遅れましたが、誰も待っていないからヨシとする!?

恐惶謹言。

般若心経を唱えるロボット、IT化・機械化の波? :御朱印:山口観音・日枝神社

般若心経を唱えるロボットのニュースを見た。「エンディング産業展」なるものらしい。

発音がイマイチで怪しい読経になっていた。ワロタ!

f:id:wave0131:20170901171158j:plain

しかしこのくらいで笑ってられない!

「畳の上で死にたい」が叶えられなかった方のためか? こんな棺もあるとか。和モダン?

f:id:wave0131:20170901171241j:plain

 

エンディング産業もさることながら、

寺社の IT化、自動化、機械化もめざましい。

かなり笑えるもの、ありがたさがこみ上げてきて涙もの、さまざまだ。

f:id:wave0131:20170901171543j:plain

「自動鐘つき機」

全国で1000カ所。どこの寺かは忘れたが、何年か前、初めてお会いした時は不気味だった。誰もいないのに鐘の音がして、突き棒が勝手に動いていたのだ。

 

上の写真は違うが、確かこの寺も「自動」だったはず。

古式蒼然が好きな者は、そんな箇所は写真も撮ってない。

f:id:wave0131:20170901172454j:plain

f:id:wave0131:20170901172049j:plain

吾庵山 金乗院(山口観音)・真言宗豊山派

 

「自動搬送納骨堂」

墓地の代用だ。カードをかざせば、ホテル内のような参拝スペースまで遺骨収蔵厨子を運んできてくれるという、なんともありがたいシステム。

彼岸時などは、ラッシュアワーのように裏で遺骨が行き交っているんだろうね。遺骨も忙しく、落ち着いて眠っていられない。

 

「おみくじ自販機」

「センサー感知自動手水」

この2つは以前から、よく見かけるから慣れたものだ。おみくじや線香、ろうそくは自販機より、脇に料金箱が置いてあるのがほとんどだけど。

その昔「おみくじ」は寺社だけのものでなかった。レストランや「喫茶店」のテーブルの上に「おみくじ機」が置いてあった。

f:id:wave0131:20170901183912j:plain

いつからか、なぜか、オミクジは寺社の専売品になった。

寺社にこのルーレット「おみくじ機」を置いたらダメかしら? ルーレットがクルクル回って、観音様やお地蔵さんを描いたおみくじが飛び出す。とってもアリガタイ、と思うんだけど?!

 

御朱印・お守り券売機」

坂東33の星谷寺で初に面会した時にはメンクラッタ。

神仏を信じないわけではないが、神籤やお守りはイベントと思っているから、「売り方」にこだわらない。好きにしてください。

 

「電気式の線香やろうそく」

火事の心配が無用になるって事だわねぇ。LEDかしら? 香りと煙は?

寺社は火事で焼失、再建の連続、歴史だからねぇ!

 

「アマゾン坊主出前」

「お坊さん便」価格20,000円。なにおか言わんや!

 

 「坊主BAR」「坊主BAND」

music、酒好きだから、カンペキにユルス! 自動化、機械化とは違うか?

でも「煩悩カクテル」「煩悩ファンク」なんでもヤッテちょうーだい!

 

300年の歴史を持つ東京・築地にある寺は、ビルの3階まではテナント、4階から本堂があり、

「屋上に100基の墓地」

さらに鐘撞があり、もちろん鐘は機械式である。

 

 

f:id:wave0131:20170901173203j:plain

「塔婆プリンター」

あの長い塔婆に見事にプリントするのである。当然、梵字も、御首題もプリントできる?

 

世田谷区・妙法寺高さ8mの「おおくら大仏」は、

回転し、正面と背が入れ替わる。

「まわれ、ま〜われ、メリーゴーランド」久保田もお参りしたとか?

 昼間は大仏は本堂の方を向いており、夕方から朝までは世田谷通りの方を向いて、交通安全を祈願しているそうだ。 

 

 「厄祓いを動画で行うという神社」

どうなっているの?

 

インターネット寺院『彼岸寺』

こちらは、マジメな取り組みのようだ。

 

深川閻魔堂のエレクトリックエンマ」

愛嬌だね。

まったく話は変わるが、この寺、門前仲町の深川閻魔堂・法乗院の近く、葛西橋通り沿いに「こうかいぼう」というラーメン店がある。いつも長蛇の列! 絶対にこの話をしたいが長くなる、次回にしよう。

 

「お経もタブレットの文字を、指でなぞれば音声再生」

おいおい!? まさか坊主が使わないだろうねぇ?

 

「お賽銭も電子マネー対応」

 なんだってぇ?!  シャリ〜〜〜ン!!

 

そういえば、東京に

エスカレーターで境内に」

案内してくれる神社もある。

f:id:wave0131:20170901173318j:plain

f:id:wave0131:20170901173340j:plain

f:id:wave0131:20170901173354j:plain

f:id:wave0131:20170901173405j:plain

日枝神社・東京都千代田区永田町

 

エレベーターもどこかの寺社にあるのかしら? 覚えは無いわねぇ。

 

イヤハヤ、なんなのだ!

元来「寺」は、その時代、時代の最先端の建築技術を取り入れてきた歴史を持っているから、新しいものを取り入れて行く姿勢は何ら不思議ではないかもしれない。

加えて現在は、住職や神職高齢化や、跡継ぎがいないという深刻な問題が最先端の技術を取り入れる理由の一つにもなっているそうだ。

しかし、どう見てもそういう先端的な技術を取りれている寺社は「裕福」そうな寺社ばかりだけど? そんな寺社なら後継者の問題もないはずだ。

自動鐘つき機を設置するのに、おおよそ百万円だとか。

 

後継者問題を抱えている寺社は、何ひとつ新しい技術的なものを取り入れられない経済的事情を持った寺社のはずだ。

「ALSOC? そんなものは知らん」「用は無い」と言う寺社もいっぱいある。

単純な事だ。寺社も格差なのだ。

変わっていくのはハード面がほとんどだが、技術面とは対極にある神仏の教え、それさえも流されていき、人が神仏と向き合う時、パワスポとか、サイバーとかで、ウスッぺらな対象になっていきそうな気がしないでもないね。

 

諸行無常、なんの不思議もない!か?

 

妙泉寺「千葉厄除け不動」の御朱印 〜法要中にワンコが飛び込んできた!ペットは往生できるのか? 人間は?

肝炎のため、現世と決別するには少し早い年令で亡くなった身内の人間の法要だった。

寺本堂内で住職の読経が始まる。

参列者はそのお経を耳にし、神妙に頭を垂れる。

道路から少し奥まった寺の本堂は騒音も無く、静謐な中にも読経だけが声高に響く。

カサ、カサ、カサッ、ザーッ!!

その厳粛さを破る、忙しげな異音が堂内に響いた! 

なんなんだっ?

読経中の真言宗大谷派の住職が一瞬振り返った。

その時、住職の膝下にワンコが畳の上を滑り込んできた。

f:id:wave0131:20170830201320j:plain

読経中にもかかわらず住職は怒った。

「すぐ、外に出しなさい!」

怒りの言葉は、その一言で、また読経が続けられた。

 

ワンコに罪はなかった。

ファミリーが法要に出かける中、一人、いや一匹残すのは忍びなく、頼まれもしないのに車に乗せ一緒に連れて行った。

寺に着いた。暑い日は車内に残すことはしない。

外に出す。外は蚊がいる、ワンコにとってもヤバイ!

本堂内の靴脱ぎ場にリードで留め置いた。

 

決して吠えない、決して噛まないワンコだ。しかし、ダッソーはダイスキだ。

甘かった!! 失態だった! リードの緩い結きを振り切った。大脱走が始まった!

玄関を駆け上がり、静粛な読経の中、ファミリーを探したかったのか、堂内を駆けずり回り、なぜか住職の膝下で急ブレーキ! 畳だ、

ザッ、ザーッ!! ザッ。

 

住職の声が轟いた! 喝ーーーーーーツ!

f:id:wave0131:20170831171938j:plain

 

f:id:wave0131:20170830201321j:plain

シュン!!!!!

 

本人、いや本犬も、飼い主も大反省であった。

 

いまは寺社がペットに対応するスタイルは様々だ。

 

基本的に神社は神域に動物の進入を拒否する。

 

しかし例外神社も多い。

犬は安産、多産だから安産祈願、繁栄の商売繁盛などのご利益があると言われている。

f:id:wave0131:20170830201318j:plain

 

東京多摩の御岳神社などは、

盗難除け・魔除けの神「大口真神」は江戸の昔から「おいぬ様」として親しまれ、広く信仰されてきました。

とかで、ワンコの祈祷もしてくれるようだ。

 

市ヶ谷の亀岡八幡宮などは、

ペットの初詣は当たり前、七五三や成人式まで執り行う

とか。

ペットの成人式は何歳で行うのか? やり過ぎでは?と疑問にも思うが、まぁ、微笑ましいという事にしておきましょう。

 

もともと神社には狛犬がいる。鹿もいる、蛇もいる、牛、狐、馬、鶏、龍、亀、鯉、鶴、鳩もいる。

ほとんどすべての動物がなんらかの形で関わっていると言っても過言でないな。

直接に神であったり、神の使いであったり、想像上の動物であったりとするが、本来すこぶる動物と相性が良いのでは?

 

寺も宗派により様々な解釈があるようだ。

 

この寺院は境内に脚を踏み入れる前の、寺の周辺に近寄った時から動物に対するジューナン性を感じた。

表現によってはショーバイ性と言う人もいる。

 

▼千葉厄除不動尊

f:id:wave0131:20170830201317j:plain

f:id:wave0131:20170830201315j:plain

f:id:wave0131:20170830201316j:plain

▼関叡山 妙泉寺千葉厄除け不動」の御朱印天台宗/千葉県東金市山田)

f:id:wave0131:20170830201314j:plain

f:id:wave0131:20170830201313j:plain

 

天台宗では「山川草木悉皆成仏」といって、「動物、植物でも命あるものはすべて成仏する」との教えがあるそうだから、ショーバイっ気ヌキでの考えなのでしょうねぇ。

 

ともかく、昨今のペットは家族同様に大切、いやそれ以上に、かけがえの無い存在だという人も増え、そんな事情を考慮し、柔軟な解釈で犬猫を受け入れ、祈祷・供養の対象として受け容れる寺社も多くなったのでしょう。

ペット産業は今や1兆4000億市場らしいから、寺社側の事情もあっての、やむなく寛容になった寺社もあるかもしれない。

もっとも、ペットの初七日、四十九日、一周忌とかも行われる事を見聞きすると、やはり首を傾げざるをえない。

やはり、ホドホドが納得しやすいのだが、昨今「ほどほど」なるものもが常に変化して、どこまでが「ほどほど」なのかわからなくなってきた。

 

いずれにしても、仏教では犬や猫は畜生だ、一度落ちるとなかなか抜け出すことができない六道のひとつ畜生道

動物の身のままでは念仏を唱えることができないわけだから、犬や猫はそのままでは極楽往生できない。

もちろん成仏するのは人に限られた事なので、動物は成仏できない。 

いやいや、そうではない!

などと、仏教界でも犬猫が「極楽往生」できるか否か、真剣に論議されているそうだ。

 

f:id:wave0131:20170831173604j:plain

人のほとんどは、自分が地獄か極楽かの崖っぷちに立っているのに、犬猫の心配なんかしてられない!

 

かけがえの無いペットを飼っている人にとっては、そのペットが次に人間に生まれ変わってくるように神仏にお願いする事は出来るわね。

人間に生まれる事が幸か不幸か、わからない世の中だから、犬猫にしてみたら

「大きなお世話」

かもしれない。

にほんブログ村 コレクションブログ 御朱印へ
にほんブログ村