正確には「正五九黒本尊祈願会」
最初の3文字をどう読む? ワカリマセン!
「しょうごくくろほんぞんきがんえ」と読むそうです。
東京は芝にある徳川家の菩提寺でもあった増上寺で、年間に行われる様々な行事の一つ。
多くの人は「正五九黒本尊祈願会」の読みを正確にはできない。
読めたらきっと意味も知っている人でしょう。
正月と5月、9月に行われる祈願と言うと、なんとなく理解できてきます。新年、田植、収穫と繋がっているはず。
そもそも神話や仏教の話は広く、深く、ややこしい。
専門的に学んでこない限り、人に説明できる程の知識を持つのは難しいと思っているのは、自分の知能の低さを弁解しているのかしら?
仕事中は外へ出かける事は少なく、モグラのように閉じこもっています。
昨日は芝方面に用事ができて、ちょうど昼休み時間に用事を終えたので大門駅から増上寺へ向かってみました。
▼駅から増上寺方面へ歩くと駅名にもなっている大門がすぐ目の前。
たまたまで、この日を狙っての訪問ではない門に掲げられた看板は、平易な言葉で案内されていました。
「黒本尊勝運御祈願」
これなら何とか読めて理解できるし「勝運」という言葉が人々を惹きつけます。
大門から山門の間は街になっていますが、江戸時代まではこの辺りも寺域だったのかな?
何しろ東京タワー建設の時に増上寺の土地を譲ったそうですから、当時の寺域は広大だったのでしょう。
▼浮世絵でも度々目にする三解脱門が見えてきます。
▼この三門は雪が似合いそうです。
三門にも、この日の行事がさらに分かりやすい看板が掲げられていました。
「秘仏黒本尊御開帳」秘仏ご開帳となれば仏像好きな人は行かねばなるまいでしょうが、ワタシはどちらでもない。
煩悩まみれから、まったく解脱できないまま小さくなって門をくぐります。
増上寺はこの風景がスッカリ定着しました。
今や東京タワーが背景にない増上寺は考えられません。京都南禅寺の水路閣と同様。
異質同士がしっくり調和しています。タワーの代わりに高層ビルだと絵にならない! タワーで良かった。
観音像に挨拶して、手水舎でかたくなな穢れを少しでも落とします、ゴシゴシ!
▼この鐘楼は立入禁止。
▼本堂に上がる階段から三門を振り返りました。
何しろデカイ本殿は圧倒的な迫力を誇っています。
その扁額の下で参拝の列ができていました。
いつものようにスルーして堂内へ入リ、参拝者の視覚に入らないよう、邪魔にならないよう浄財箱の脇から手を延ばして賽銭を落とします。
通常は堂内にももう一つ賽銭箱を設けた寺もありますが、ここは無いようです。
▼黒本尊が安置されている安国殿に向かいます。増上寺はどの堂宇も比較的新しい。
近年に再建された建物ばかりで古さという趣は一切ありません。100年もすれば蒼然となるかな? 地球がもたないかもしれない?
▼堂内に入る時、このカンバンが目に入らなかった。
この位置から iphone のシャッター音を思いっきり出してしまいました。
須弥壇の横にも「NO PHOTO !」の案内があるのにです。
普段はメガネをかけない近視だからしかたないし、英語も読めない?
黒本尊は家康の念持仏、線香の煙で黒くなってしまった阿弥陀如来だそうです。
「勝運、厄除け」のご利益があるとか。
御開張といえども厨子の扉は思いっきり開いているわけではなく、正面からなら確認できるくらいの、3分の1ほどの開扉。
厨子から出して、その姿を惜しげもなくさらけ出すより、この程度のオープンさが有難味を大きく感じる?
いずれにしても阿弥陀立像は小さい。もう少し間近か、望遠鏡で見ないとはっきりご対面できません。
法会は午後1時からのようで、残念だが時間がないのです。
御朱印をいただいて帰ることにします。
増上寺の御朱印帳は1冊持っていますが、いつからかデザインが新しくなっていました。
▲赤い表紙を購入。これは稀に見るスタイリッシュなデザイン。
黒と光る赤が上品な派手さと、引き締まったイメージを作っています。
チャラチャラしたイラストの表紙よりハイレベルな好ましいデザインと思います。
御朱印2つをいただいて2,300円。ということは1冊1,700円? 値段もまずまずスタイリッシュ!?
昨今はこんなお値段でしょうが、1,200円と言われると安く感じて嬉しくなる自分がイヤンなります。
▼三縁山 広度院 増上寺の御朱印。(浄土宗大本山・東京都港区芝公園)
祈願受付も同時に対応しているのか御朱印は6、7人の僧侶が筆をとっていたので大して待たずに返されました。
限定御朱印でもないから集印者も列を作っていません。それでも御朱印を求める人は次々やってきます。
通常の御朱印と比較すると「正五九」の印のみ追加されていました。
限定と言えなくもないとしたら、このくらい遠慮気味な限定印が好ましい。
観音巡礼の「発願」「結願」印とおなじようなイメージです。
▼江戸三十三観音でお参りした「西向観音」。
黒本尊祈願受付のテントの陰になってしまっていて境内に入っても見えなくなっていました。テントをグルッと回ってご挨拶。
▼増上寺というと、この地蔵と風車が真っ先に目に浮かびます。
可愛らしい千体地蔵の前を行き、安国殿の裏手へ進んでみます。
徳
川家の墓所「鋳抜門」に突き当たります。
2代将軍二代秀忠をはじめ将軍6人、正室、側室などの子女を含めると38人も埋葬されているそうです。
ボンビーもここで突き当たります。
入ったことがないから話にならなりません。
次回までに拝観料500円を貯めることにしましょう。
宝物展示室の常設展は700円。ここも経験なし、同じく話にならないから入館料700円を次回までに用意することにしましょう!
特別展だとさらに800円追加して1500円位用意しておかなければ入館できないか?
細かい金額を計算する身はツライ!セコイ!
じっと手を見ます。
以上、増上寺のサワリでした。セッカチはいつも慌ただしい。
寺は広く、他にもたくさんの堂宇、見所があります。
1、2時間かけてゆっくり歩いてみてください。