▼飯田市の前夜宿泊先。
▼前日より狭い。寝るだけだから、4,860円の部屋に文句は言えない。
怪しげな宿のごとく見えるイラスト風写真になってしまった。部屋は清潔、キレイ!
そう、前日同様こんなところに泊まっている!
▼部屋のカーテンを開けてきたから、5Fの自分の部屋だけ煌々と明かりがついている。他の部屋は見られたくないからカーテン? もう寝てるの?
隠すものが少ないワタシも悲しいかもしれないけど、隠さなければならないものが多い人もツラいわねぇ。
▼飯田の街も夜は早い。夜9時、ホテル前の交差点は人見当たらず。ご多分に漏れず、ここ飯田市も典型的な日本の地方都市の行く末を表しているかのようだ。人口は徐々に減り続け、大台の10万を切る寸前のガケップチ。
多くの転出者は首都圏を目指しているそうだ。
そんな街に夜の散歩に適した場所は見つからない。
▼男たちを誘うこんなお店は数店舗あるけど、あたしには用無し!
そんな街中を歩いて、カフェのようなイタリアンでワインとパスタの晩ごはんを食べる。場違い感タップリな店を出てホテルに帰る。
なんのことはない、宿泊先のホテルの1Fレストランが大勢の人々で一番賑わってましたわっ。
だから、もう寝るっきゃない! ということで普段より相当早く寝る。
いつまで付き纏うのか、忘れたいのに土足で入り込んでくる奴に眠りを乱される夢をイッパイ見る。
「忘れたい」を「忘れたくない」に置き換えると、夢は納得できる。
だから、翌朝も早く起きる! 乱れを整え、夢は全て忘れる。
▼朝メシにもありつけず、飯田の街から5、6km南下して「天竜峡」に行ってみる。朝8時30分の「名勝」は、まだ誰もいない。出会ったのは掃除のおばさんたちだけ。
そもそも「天竜川」と言われてもと、ライン下りとか、浜松あたりの太平洋に注ぎ込む川くらいしか知識がない。
調べてみると「諏訪湖」の唯一の出口を源流として、伊那谷を南下する。
そしてここは伊那谷の出口にあたり、川幅は急に狭隘になる。かつては洪水に悩まされた地でもあるそうだ。▼遊歩道を進むと木の間に渓谷というか、水面が見えてくる。▼天竜川の谷は深いぞぉ〜。
▼吊り橋らしきものが見えてくる。▼吊り橋まで降りる。ここは紅葉時期にやってくるべき観光地だ。
そして、俗っぽく渓谷を遊覧船で見て回ることが正解のようだ。
▼ちなみに紅葉時期はこんな感じになるそうだ。(「南信州ナビ」さんから拝借)
最近ではラフティングも人気みたい。
▼「つつじ橋」というからには、秋はさぞかし紅葉で赤く染まることだろう。
もちろん誰もいないから、思いっきし揺すって、思いっきり飛び跳ねてみる。
ビビって大きな跳躍はできないのに大きく揺れて、さらにビビった。
▼あちらこちらの観光地にあって、カップルで鳴らせば、その場だけ一瞬の幸せだけは得られる「幸せの鐘」。何処へ行っても吉野家とKFCがあるのと同じなのだ。幸せの尺度は人それぞれ、大きなお世話!
▼だけど誰もいないから、これも思いっきり鳴らしてみる。ゴ〜〜〜〜〜ン? 除夜の鐘じゃないから、カ〜〜〜〜〜ン!とカン高い音色が響く。
戻ってこない響きは「しあわせ」がどこか遠くに飛んで行ってしまったのか?狭い吊り橋を鐘の音だけが駆け抜けている時、ちょっと勘違いしたことに気づく。
「しあわせ」になれる鐘ではなく、「しあわせ」を願う鐘だった。
どちらでもイイけど・・・。朝ごはんの付いていないホテル宿泊だったから、おにぎりとお茶をコンビニで買って持ってきた。
誰もいないから、吊り橋の上で一人おにぎりを頬ばる朝の8時時50分。
その姿を想像してみてください。なかなか寂しく、悲しい光景でしょう?進化し続けるコンビニの「混ぜご飯」的な美味しいおにぎりを噛みしめていると何だか可笑しくなってくる。
誰もいないから、夏の朝の日差しを浴びながら「ハッハッハッハッーー」と笑った。自虐的かしら? 人を貶めるよりラクなので・・・。
男と一緒でない、女と一緒でない、一人旅はいつも、面白くて、寂しくて、楽しくて、悲しくて、嬉しくて・・・、どれでも選べて自由なの、ねっ! そう、何を混ぜても自由!
心は混ぜご飯おにぎり的に、自由でコンビニなのだ!
さて今日も寺を目指します! この景色の先のどこかに目的の寺はあるはず・・・。
んんっ?! déjà vu.
むかし誰かと一緒に眺めたような景色。記憶の奥の引き出しが少し開く。
いつも手遅れに迷宮を彷徨うばかり。
誘われて行った先の山や海は、どこも光り溢れクラクラした記憶は、もうすっかり色褪せ、鮮明さも失われ一部を残すのみだわねぇ。
いったい何処へ行ってしまったのか眩しい光に満ち溢れていたあの夏の朝は?
夢のような「しあわせの鐘」が響いていた頃の僅かな記憶を引き出しの奥に戻し、長野の旅3日目は伊那街道(三州街道)を諏訪方面へ北上して東京へ戻る予定。
伊那谷は信州の片田舎。
しかし、木曽路は山の中で俗っぽい店は少なかったが、ここから先は谷です。
この先の谷には蕎麦もあるけどファミレスも、モスも、マックもある。
昼ごはんに蕎麦を連続して食べているとマックが恋しくなる。
マックをパクついて「しあわせ」って何だろう? と疑問を持つ!