(天台宗/東京都目黒区下目黒3-11-11)
墨書きの内容と使われている朱印が全く同じなので、御朱印の見た目、雰囲気も似ています。
2012年から2021年の足掛け10年間に御朱印の姿は変わらないということです。
余計なイラストスタンプなし!
限定御朱印もなし!
このほか「秋葉三尺坊大権現」の御朱印もいただけけるようにあったのは、
10年間の変化です。
2021年の御朱印は書き置き。
しかし、ほかに経験のないほどに厚い紙の書き置き御朱印でした。
サイズも少し大きく、約120x180mm。
厚さは、いわゆる画用紙の2倍くらいの厚さがありました。
どうしてこのサイズ? どうしてこの用紙?
書き置き御朱印をいただいた場合、ペラペラの透けて見える用紙も少しガッカリしますが、経験したことのないあまりに厚い用紙にも首肯できない気持ちが湧いてきます。
御朱印の体裁より何より、いただけるか否かが一番大切な事にしていますが・・・。
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▼東京の「蛸薬師」は目黒にあります。
「目黒不動」や「五百羅漢寺」などと一緒に参拝できる位置にあります。
境内に数台の駐車スペースもあります。
▼「山手通り」方面から続く目黒不動参道入口の商店街通りに山門を構えます。
▼近くの「目黒不動」や「五百羅漢寺」より雰囲気の良い入口ですが、山門はフェンスが設けられているので脇から境内に入ります。
「タコ」という海産物、または言葉には滑稽なイメージが付き纏います。
「このタコ!」「タコの八っつぁん」「タコ社長」「ゆでダコ」などなど
あまり褒められた表現は使われていません。
しかし、近しく親しみを感じるから、そんな呼び名になるのでしょう。
過去には夏の海に欠かせない「タコ イカ マンボウ」と言う商品もありました。
「蛸薬師」は、当寺のほかに京都が有名でしょう。
どちらも本尊を「薬師如来」としていますが、
眼病を治し、吸盤によって吹き出物や疣を取り払う効能があるという伝承は、多くはないものの全国的に散見されるようです。
▼しかし、成就院の蛸薬師は「福」も吸い寄せてくれるようです。
慈覚大師円仁によって開創されたと伝わる創建年858年(天安年間)の頃の蛸の役割はもっぱら「眼病」や「吹き出物」専門の薬師如来だったのでしょう。
近代になって医学・科学が進歩してからは「眼病」や「吹き出物」は専門医が担うことになり「蛸薬師」の役目は全うされ、
新たに「福」を吸い取るのではなく、人様に「吸い寄せる」という役目に変化したのでしょう。
もちろん現代でも、医学・科学だけで解決できない眼病や皮膚病もあったり、
思うにまかせぬ治療結果だったりする中で、本来の「蛸薬師」の力にすがる場合もあるでしょう。
「蛸薬師」を訪問するのに、病の治癒を祈願するのではなく、
御朱印をお願いする立場であるワタシたちは、ある側面、とてもシアワセな事でもあるのでしょう。
▼山号の「不老山」は、あえて「不老」という願いが込められているかもしれません。
▼「出世 蛸薬師如来」と書かれています。蛸の役目も多義にわたるようです。
▼人様に「福」や「出世」を約束しようとする「蛸」より、何も約束しようとしない「蛙」たちはノンビリしたものです。
▼本堂横の「お静地蔵蔵尊」。
この地蔵尊は、由緒によれば以下の通りです。
保科正之は、生母お静の方が、当山での祈願を成就して、二代将軍秀忠公の第三子として世に出て、高遠城主に取りたてられ、のち会津城主に転封され、松平家の祖となり、四代将軍家綱公をたすけて大いに善政をしきました。
このお静の方が大願成就の為に奉納された地蔵尊がお静地蔵尊と呼ばれ境内にまつられています。
▼境内には「享保十三年」の文字が読み取れる石像などもあります。
寺の詳細はともかく、名称だけは覚えやすい「蛸薬師」です。
「目黒不動」や「五百羅漢」とともに参拝しましょう。