▼白鬚神社の御朱印(2020年)。
▼白鬚神社の御朱印(2013年)。
毎年正月の7日まで開催される隅田川七福神めぐりで、一般的には「寿老人」と表されますが白鬚神社では「寿老神」と書かれます。
神社祭神の「白鬚大明神」を「ヒゲ」を生やす「寿老人」に見立てているからだそうです。
▼最近はどこの神社も御朱印の案内が分かりやすく大きく掲げられています。
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▼白鬚神社の総本社は滋賀県に鎮座し、琵琶湖畔に鳥居が建つことから「近江の厳島」とも呼ばれているそうです。 (wikipedia 白鬚神社)
951年、元三大師が滋賀の総本社の白鬚大明神を勧請して分霊を祀ったのが「向島白鬚神社」の始まりです。
▼東京墨田区の白鬚神社は江戸名所図会でも紹介されています。
「隅田川東岸 白鬚明神社」と記されています。 (国立国会図書館デジタルコレクション)
道路から境内に下る階段が見え、そしてまた拝殿前までに少し登る階段を男が上がってきています。
この構図は現在の神社の様子とほとんど同じでしょう。
もちろんは200年前の男女が手を合わせているのは、ほんの小さな社です。
▼さて、現在の東京 向島鎮座の白鬚神社です。
白鬚神社という名称はそこそこ有名というか、その名が聞こえていると思いますが、
案外こじんまりとした落ち着いた神社です。
▼墨堤通りから訪問するともっと近い入り口が2つありますが、こちらが本来の表参道でしょう。
▼少し下がって、また少し上がる境内は江戸名所図会と同じです。
造営の新しそうな神楽殿が妙に目立ちます。
▼社殿は放火により全焼し、1992年の再建だそうです。
▼この写真は2013年撮影。やはり提灯や幟の有無で随分イメージが異なります。
▼狛犬は古色いっぱい。
▼裏側を見ると「文化十二年」などの文字が読み取れますので、200年前の建立です。
刻まれた漢数字は「三」のようにも見えますが「十二」でしょう。
白鬚大明神は猿田彦神ともいわれ道案内の神であることから、
江戸時代の商人たちはお客を店に案内する神様として信仰を集めたそうです。
この1対の狛犬も、今に引き継ぐ「料亭八百善」と、吉原の遊郭「松葉屋」の奉納だそうです。
「料亭八百善」は、300年前の浅草山谷で創業。
会席料理を確立し、江戸で最も成功した料亭のひとつだそうです。
墨田区の文化財に指定されていて、神社で唯一江戸時代の匂いを感じさせてくれる、下町ならではの狛犬かもしれません。
▼社殿右手に境内社の諏訪社、三峰社、水神社が並びます。
朱色の鳥居などはなく派手さはありませんが、とても好ましく感じる神社です。
御朱印収集者には隅田七福神巡りで訪問するのがベターでしょう。