▼白旗天神社の御朱印(2021年)。
▼白旗天神社の御朱印(2012年)。
「誰一人粗末にしない」というような「おもてなし」的対応を感じました。
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▼白旗天神社へはJR「本八幡駅」、新宿線「本八幡駅」、京成線「京成八幡駅」からそれぞれ徒歩12分から8分ほどです。
神社鎮座地の「菅野」は1丁目から6丁目まであって結構広いのですが、
かつては幸田文や永井荷風などが住んだ土地で、当時は別荘地として栄えています。
幸田文、永井荷風はその作品の中で「白旗天神社」を描写しています。
現在でもそんな雰囲気の邸宅が残る高級住宅街で、細い道を分け入って行くと家の塀越しに青々とした松の木が沢山見受けられます。
また、さだまさしが青春時代の一時期を過ごした街でもあります。
▼「松しける生垣つヾき花かをる菅野はげにもうつくしき里」天神社境内には永井荷風の句碑も置かれています。
▼白旗天神社へは2012年秋以来の2021年2月の再訪です。
神社の由緒書きによると、
「源頼朝が安房国に旗揚げした際、菅野の地に白旗を揚げたことから白幡と名付けられたと伝えられる」
としています。1180年のことです。
創建年は不詳ですが、1584年に本殿の再建記録が残っているそうです。
現在の本殿、幣殿、拝殿は明治から昭和期に造営されています。
▼「神門」は1984年の築造。
「白旗」という文字が使われていれば「源氏」、それも頼朝ですが、
「白旗天神社」となって道真と結びつくのは珍しいように思います。
単に「白旗神社」の名称を持つ神社は全国に70社以上あるそうです。
やはり主祭神は「源頼朝」が多く、鎮座地も神奈川や千葉が多く、東日本にしかないようです。
ここ「白旗天神社」のもともとの主祭神は記紀に登場する「武内宿禰」で、
明治期に入ってから道真が合祀され「天神社」という名称になったそうです。
▼境内の西側にも入口があり鳥居が建ちます。
鳥居の先は公園で地域の人々や子供達の憩いの場になっています。
神社は「天神さま」という前に、地域の「氏神さま」である様子が伺えます。
初回訪問時の2012年は秋の日の夕方近くの時間で、何となく寂寥感を抱きましたが、
今回訪問はまるで印象が異なりました。
2月末日ですが、すっかり気持ちの良い春の空気が流れる境内でした。
▼なのに、狛犬は後ろの木に溶け込み、カムフラージュです。
▼阿形は堂々?としています。
▼由緒書きによると社額は「勝海舟」の揮毫によると解説されていますが、最初の二文字は神社名を知らないと読めません。
▼青空に映える本殿の千木です。
▼本数が多くないのが好ましい紅白の梅です。
梅の木は密集すると桜に負けないくらい見応えがありますが、
一本一本が健気にほころばせる花を鑑賞するには、この程度の本数が適当でしょう。
梅の木に賑々しさは似合いません。
それにしても地域の氏神さまにしては整い過ぎています。
周辺はかつての趣ある邸宅らしい建物は減って、現代的な住まいが建つ完璧な住宅街です。
そんな中で木々を多く残し、オアシス的な様相を維持できているのは、地域の人々にとっては神社からの最高の贈り物のように感じます。
▼境内右奥に鳥居を設けられた境内社が集まっていました。
▼正面の「古峰神社」をはじめ五社が鎮座です。
神社鎮座地の近くには「葛飾八幡宮」があります。
規模も、知名度も、趣も全く異なります。
参拝して、より様々な思いと感慨をもたらすのは、どちらか?
訪問者次第でしょう。
御朱印収集者はぜひ、参拝対象に加えましょう。
キラキラゴシュイン、イラストゴシュインだけを追っている人には、無用の神社かも?