不思議な名称「青岸渡寺」の文字はどこにもありません。
左下朱印も「那智山納経印」。
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▼東京から随分遠い距離にある地域に来ました。
「大門坂」入口手前の駐車場に車を駐めてここからスタート。
「青岸渡寺」を目指します。
▼ここの標高は約150mほどだそうです。
▼最初はなだらかな舗装路が、やがて石段に変わります。
大門坂は古来の面影を色濃く残している誰でも登れる初心者向けの参詣道。600mほどの石段の高低差は100m。いにしえの参詣者に想いを馳せ登ります。
▼石段もなだらかでタカをくくっていると、こんなところもあります。
▼最近ではこんなコスチュームで坂を行くのが人気だそうですが・・。
ゆっくり登っても1時間もかからない。石段が終わり駐車場のある広場に出ます。
▼やっと登り切ったと思いきや、さらに石段が待ち構えています。石段は473段あるそうです。高低差50mくらいありそう。
▼老若男女、みんな元気です。ヒィヒィしながらもジャンジャン登ってきます。
▼ハイ、お疲れ様! 境内です。
と言っても階段を登り切った上の境内は、青岸渡寺ではなく那智大社の境内です。
那智大社は過去記事にしているので省略。
▼ここから大社の境内を出ます。
▼青岸渡寺の境内は隣り合っています。神仏習合の熊野信仰霊場ですから元は一緒。
さすが一番札所。白衣姿の方達が大勢見かけられます。
グループで西国巡礼できる方を見ていると羨ましくもあります。
本尊如意輪観世音菩薩は秘仏だそうです。境内は線香の香りが充満しています。
坂東三十三、江戸三十三、鎌倉三十三、武蔵野三十三、秩父三十四、すべて巡ってきました。
しかし関東在住者にとって西国三十三は遠い。車で巡るとしても33番華厳寺にたどり着くまで数日は必要。
東国三十三のように東京から何回かのピストン行動という訳にはいきません。
出来ないことではないが、時間的にも経済的にもかなり効率が悪い。
当初から西国だけを巡る覚悟で出かけないと満願できそうもありません。
東国三十三の巡礼道総距離は約1000km、西国は1200kmだそうです。
やはり様々に余裕を持っていないと挑めるものではありません。
まぁ世界遺産でもある一番札所に来られただけでも恵まれていると考えましょうか?
あとの札所は折を見て機会があれば訪れてみる、そんな程度に考えているから東国、秩父を含めた「百観音」達成は実現困難でしょうね。
▼境内からは写真などで見慣れた光景が広がります。
三重塔の脇を通って滝方面へ降ります。
▼「蟻の熊野参り」という言葉を思い出されます。
▼鳥居の先が滝。滝そのものがご神体であることが分かりやすい飛瀧神社です。
落差130m。高さも水量も日本一のこの滝だけを目指してくる人もいるのでしょう。
中世の時代から人の心を掻き立たせた那智山は、現代も変わらぬその魅力を未来へと引き継がれていくものなのでしょう。
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