道樹山 龍興寺の御朱印
「りゅうこうじ」天台宗(福島県大沼郡会津美里町龍興寺北甲2222-3)
当寺と円蔵寺「柳津観音」、如法寺「鳥追観音」です。
どのような根拠によって「番外札所」に決定されるのか分かりませんが、
いずれも由緒歴史ある大きな寺院です。
東京から「会津三十三観音霊場」を巡り、結願するには大きな決断が必要でしょう。
留守などの理由で御朱印をいただくには電話連絡などが必要な寺院も多いようです。
御朱印は「会津五色不動尊」巡り目的で参拝した際にいただいたものです。
「離農」ではなく「離脳」です。
厄難除け、苦悩消散、長寿などのご利益があるそうです。
▼「会津高田駅」から800mほどですので、徒歩ですと10〜15分ほどでしょう。
▼「仏都」とも呼ばれている会津地方を車で巡っていると山間部を走ることが多く、また、こんな田舎道にも度々出会います。
▼そして「こんな所に!?」と思われる地に、いきなり目的の寺が現れたりします。
現実は「岩代国一之宮 伊佐須美神社」を参拝したのちに訪問していますので、
ほんの数分走って到着でした。
▼境内に車で乗り入れると正面に見えるお堂に「浮身観世音」が祀られています。
八角形のお堂は「八葉堂」とも呼ばれ、
毎年11月に開帳される「浮身観音像」は秘仏です。
徳川家康・秀忠・家光に仕えた天海がこの寺で修行していた時、
「浮目」と呼ばれる水田から土仏像を発見。
後にこの仏像を模して木造の観音像をつくり祀ったとされています。
「浮目」から「浮身」へと転化していったのでしょう。
「うきめ」というと一般には「憂き目」で使用されることも多いのですが、
こちらの観音様は「うきみ」です。
そのご詠歌は「浮身をば 助け給へや観世音 みちびき給え 弥陀の浄土へ」です。
▼「本堂」です。
▼珍しい山号「道樹山」の読みは「どうじゅさん」でしょう。
先に天海僧正が修行と書きましたが、天海はこの寺で出家したと伝わります。
境内には天海の両親のものと思われる墓も存在しているそうです。
火の無いところに煙はたちません。
かつては隆盛を極めた寺ですので、何かのきっかけ、関わりがそのような伝説を残したのかもしれません。
真偽のほどはともかく、そんな言い伝えが残るのは寺巡りをしている者にとっては、
覚えやすく楽しい話でもあります。
▼本堂に祀られているのは龍興寺本尊の「阿弥陀如来」でしょう。
手前左の柱に掲げられた文字は
「径寸十枚非是國寶 照千一隅此則國寶」
(けいすんじゅうまい これこくほうにあらず せんのいちぐうをてらす これすなわちこくほうなり)
「径寸」とは、玉・球・宝・財宝というような意味で、
直径一寸の珠十枚が国宝ではなく、世の一隅に光を与え照らす者が国宝であるという、
元は中国の故人の言葉だそうです。
▼同じ天台宗寺院であるこの寺にも同じ言葉が掲げられていました。