▼男山八幡神社の御朱印です。(福島県南相馬市鹿島区寺内八幡林)
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福島の不幸な「帰還困難区域」を走り抜け、南相馬市に入りました。
▼男山八幡神社の幟や扁額には「男山八幡宮」と記されています。「男山八幡宮」というと京都の「岩清水八幡宮」の旧称です。
この神社の創建は851年以降のようで、祭神の誉田別命は京都から勧請されたものなのでしょう。「男山」というと、名の通り日本にたくさんある山の名前でもあるし、地名もたくさんあります。もちろん神社もたくさんあります。しかし、個人的には「男山」は日本酒なのです。有名なのは旭川、山形、灘でしょうか。どこもバリエーション豊富で、とても高いお値段のものから手頃なものまでいろいろあります。
元々は伊丹の酒蔵が起こりのようですが、その後の暖簾分けやら、パクリなどで北海道から九州まで「男山」のお酒は日本中にあります。
社名に使っている酒造会社もたくさんありで「どこどこの男山」と言わないと通じないほど。それだけ人気の名称、ネームバリューということなのでしょうか?
この神社に日本酒の「男山」は何の関係もありませんが、八幡宮や八幡神社が全国に多数あるのと似た現象と言えなくもありません。
いずれにしてもこの神社は、子授け、安産、子育ての神様として古くから地元の人々に深く崇敬されているそうです。
▼「子育て獅子」も3頭の子をもうけていますが、どう見てもライオンでした。
▼「子宝いぬ」はどこかで見たような形状。親子の犬を囲むように十二支を表した半球状の石を撫でると「子宝」に恵まれるとか。確かに「子」は産んだ親にしてみれば「宝」に異議はないはずで、少子化の現在は「国の宝」であるとも言えるかもしれません。東京の水天宮では戌の日には安産を願う人々が数百メートルの列を作ります。
しかし現代では「子宝」を育てるにはお金も必要です。昔は2人育てるのも3人育てるのも一緒!と4人、5人兄弟なんて当たり前でした。
今は完璧に人数分だけ子育て費用が必要のようで、少子化に歯止めが効きません。
「間引き」という言葉が大昔にはありました。現代でも様々な事情で、この世に生を受けても1日も生きていられない痛ましい「子」はたくさんいます。そんな社会ですので安産、子育てのご利益より「宝」そのもの「金」のご利益をPRする神社、「金」の文字を名称に持つ神社、例えば「金神社」「御金神社」「思金神社」などに人々は狂乱のごとく集まります。
▼京都の「金」の文字を名称に持つ神社で見かけた絵馬です。人々がハイエナのように群れるその神社に、ワタシは逃げるように一目散で引き返したのですが、真剣にならずとも遊び感覚、イベント感覚、おみくじ的な感覚で参拝するもので、決して本気に祈願する人は少ないかもしれません。
でも今や、一般人に関心があるのは「子宝」より「金宝」が先であることは間違いないようです。
そんな社会の風潮は流れる水のごとく定まリません。定かなことは、この神社がある相馬地域の方では、少なくとも東京などの軟弱な人間の多い都会より、「・・喰わねど高楊枝」の武士たちが多いことかもしれません。
そんな風潮は現代まで祭として受け継がれています。
しかし、やはり何も知りません、何も分かりません、というのが正しいようです。
疲れます。
国道6号線北上の第1日目はこれまで。
もちろん相馬の神社参拝などは、もっと予定していたものの時間切れは想定内。いつものことです。
▼今夜の宿は仙台の手前、大河原のここです。「休み」が多かった寺に疲れ、長かった1日目。
外へ出てゴハンですが、ビールは1本だけにして、さっさと明日に備え、寝ます!
「時も宝」ですので!!!