満足山 成就寺の御首題
▼成就寺の御首題です。
お題目の脇の文字「我等與衆生 皆共成佛道」は
「がとうよしゅじょう かいぐじょうぶつどう」と読み、
我等と衆生(しゅじょう)と、皆共(とも)に仏道を成(じょう)ぜん
というような意味の回向文だそうです。
ところで、社寺や御朱印に興味を持っている方なら「八百万の神」というサイトをご存知だろうと思います。
▼そこにこんな「電子御朱印」なるものが存在することを初めて知りました。
▲▼写真は2点とも「八百万の神」のスクショです。
「電子御朱印」は「公式な御朱印ではありません」と注意書きがあり、
その体裁も画一的で「奉拝」「寺社名」「日付」の文字と「八百万神」の印らしきものというシンプルな内容になっています。
そして社寺に、リアルに100m以内に近づけば、この「電子御朱印」を取得できるようです。
上のスクショを撮ったのは東京ですので「寺院まであと35.1kmです」と表示されています。
当然無料で、面白くもあり、ほとんど無意味な存在とも思われますが、
現実に訪問した社寺で御朱印をいただけなかった場合などでは、記録として残す意味では有効かもしれません。
この「電子御朱印」がもう少し進化して、
書置きが授与されるように、公式の御朱印と変わらないものが取得できるようになれば、さらに面白いことになるのでしょうが、
初穂料、御朱印代などの扱いが面倒になるのでしょう。
いずれにしても本来の「ご朱印について」からは遠い存在でしょう。
「ご朱印について」からはかけ離れたものと言えるでしょうが、
大衆が求め多様化していく「何でもあり」の御朱印の姿には
少々面食らうときもあります。
それも愉快であり、「愉怪」でもあります。
▼成就寺はJR「木更津駅」から徒歩数分です。
有名な「八剱八幡神社」のすぐそばにあるお寺、と言った方が分かりやすいかもしれません。
▼成就寺は日運上人を開基として室町時代に創建されたと伝わります。
▼山門を抜けると、だだっ広い境内の先にガレージのようなモダンな建物が見えます。
▼なんと、その建物が本堂でした。
ガレージなのでは?と思われる茶色い建物が、本堂の向拝部分を覆うように建てられていました。
後から増築されたと言う表現が正しいかもしれません。
山号と寺号の「満足山 成就寺」とは、
世の人々が佛身を成就することで真の満足が得られる事を願ったものだそうです。
▼日蓮宗の寺院では、法華経の守護神として鬼子母神とともに祀られる「大黒天」をよく見かけます。
元々はインドの恐ろしい神であった大黒天ですが、
日本では平安時代に天台宗の開祖である伝教大師が比叡山に祀ったのが始まりと言われています。
出雲大社の祭神として知られる「大国主命」が、「大黒」と同音であることで民俗信仰と習合して、いつしか七福神の一人に加えられています。
福の神として現在のような姿になり、一般に広く知られるようになったのは江戸時代だそうです。
2022年現在では御首題の他に「大黒福寿尊」の御朱印もいただけるようです。
▼木更津駅近辺の寺社記事。