▼長安山 東光院 石堂寺 安房国札三十四観音霊場 第20番の御朱印です。
寺社をめぐり、御朱印をいただき始めて3年目くらいの2体です。
やっと、当たり前のように「大悲殿」「醫王殿」の
読みも意味も分かるようになった頃だったように思います。
また当初はここの寺院名を「せきどうじ」と読んでしまったですが、
正しい読みは「いしどうじ」でした。
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▼観光にも寺社巡りにも魅力的な南房総に石堂寺は建ちます。
南房総まで距離はありますが、
車ならアクアラインと館山道を使えば「遠い」南房総ではありません。
しかし、ボンビーは相変わらず高速有料道路は利用できず、
ヒタスラ下道です。
ボンビーの性、金はありませんが時間はあります。
富裕層には考えられない時間の使い方かもしれません。
▼それでも人々を平等に迎えてくれる寺の仁王門にたどり着きます。
▼境内へ続く石段は寺が山麓の高台に建つことを教えてくれます。
寺務所に向かうと前に落ち込んでいる急斜面のガケで、
ご住職が何やら作業をされていました。
斜面に生える草木を整備されているようでした。
御朱印をいただくために声をかけ、作業のジャマになるのではと躊躇しましたが、
御朱印のことは後回しにして
「コンニチワー!」と声をかけます。
ご住職は作業の手を止め、斜面を登ってきます。
いやいや、作業を続けてください!
何も知らない、分かっていない御朱印収集者の訪問ですので、
相手にしなくても良いのです・・・。
と思っていても、斜面を上がってきて、
頭に巻いた手ぬぐいを手に取ったご住職はいくらか嬉しそうに話し始めました。
どれも歴史のありそうな建物の境内や周囲の木々など、
かなり手が入っているものの、まだまだ整備が必要な箇所も散見できました。
それでも雑草雑木に覆われていた寺院を、
ここまで数年かけて四季の花が咲く境内にされてきたそうです。
もちろん資金があれば、金を使って整えれば出来ることかもしれませんが、
現実はままならず、理想は自分たちの手で、ということで
住職自ら動き、さらに地域の方々の協力も得られたそうです。
地方の寺の住職という立場と、寺院の経営の大変さは、
これまでほんの少しだけ理解していたつもりですが、
境内を綺麗にするのに森を拓くような労力も必要となると、
そのご苦労は計り知れません。
1300年という南房総最古の長い歴史を持ち、
房総の魅力500選であり、多くの重要文化財あり、
「波の伊八」もあり、そして四季折々の景観も楽しめる!
そんな何でも有りの寺なのに・・・
「でも参拝者、訪問者は少ないのです!」
と、悔しさをにじませながらも笑顔の住職の言葉。
確かに地理的には多くの参拝者を集めるには不利かもしれません。
しかし、ご住職の言葉通り
仁王門、本堂、多宝塔、薬師堂、鐘楼、旧尾形家住宅などなど、
見どころたっぷりです。
何より、ご住職が植え、育ててこられた花々の木を見つけ、
時間を割いていただけるようでしたら、ご住職のお話をうかがえることが
この寺の一番の魅力になるでしょう。
そして、現在の感染症蔓延にもよる
「生きにくい」社会に対峙するヒントが、
ご住職のお話の中に見つけられる
かもしれません。
とは言え、2015年は写真も少ないバタバタの訪問でした。
東京から県外への移動も許可が出てるので、
「ニューノーマル」なスタンスで
いち早く再訪したい寺院ですが・・。