▼本堂前に御朱印の案内が出ていました。
見開き左ページには家内安全・商売繁盛・良縁成就など一般的な願事の中から選べば、その四文字を記帳していただけるということで「心願成就」にしていただきました。
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▼塔ノ沢の「阿弥陀寺」を出て、往路を戻ります。
箱根登山鉄道のガードをくぐり抜け、賑やかな国道を横断、須雲川と平行して走る旧東海道を西へ。
▼さらに須雲川の脇を走る細い「湯場滝通り」を進むと、
右に須雲川が見え、左には大きな文字の「箱根観音」のカンバンが見えてきます。
隣に蕎麦屋がありますので、この看板がないと蕎麦屋の駐車場かと思い
「そばを食べないと駐められない?」と疑ってしまいます。
一大観光地の箱根でも、ほとんどの寺社はそれぞれ専用の駐車場を設けています。
もちろん、とってもありがたいことに無料です。
▼しかし、目指す寺は天にそびえてるように屹立しています。
▼結局、高台の寺の向こう側、旧東海道が走る道路沿いにも寺の入口はありましたが、
「入信門」と書かれたこちらが正式な参道かもしれません。
▼石段のとっつきから見る寺は絶壁に立つ旅館を連想させられます。
▼石段の数は大したことないものの、真夏の急階段は汗を噴き出させます。
▼途中の観音様に転げ落ちないように祈ります。
この小さな観音様にお会いして帰ってしまう人がいるわけではないと思いますが、
▼「本堂はこの上です→」と、容赦なくさらに続く石段を指し示しています。
▼石段にへばりつくように登り、ようやく本堂です。
▼本堂よりさらに崖上の旧東海道側の入り口まで行ってみました。
こちらにも道路沿いに車を数台駐められるスペースがありました。
本堂へのアプローチはこちらからの方がラクチンのようでうす。
▼寺の由緒が書かれていますが、文体が難しく正確に理解できませんが「福寿院」としての寺が機能し出したのは比較的新しく1976年のようです。
箱根町の人口は1万2、3千人で大したことありません。
そんななかで檀家も少なく寺経営を存続させていくとなると観光的要素は欠かせません、きっと。
それでも箱根で拝観料をとる寺社は知りませんが、とにかく人が訪問してくれる寺社にしなければ何事も始まりません。
そこにはどうしても観光要素を取り入れた寺や神社の姿となるのは当然かもしれません。「箱根」という魅力的に拡大する観光ブランドを利用しない手はありません。
さて、この寺もコロナ以前は日本人に交じわり座禅や写経などに興味を持った諸外国からの観光客も大勢訪問されていたようです。
▼「白光石」という大理石で彫られた地蔵尊。
▼小さいのですが、こんな端正で綺麗な地蔵尊蔵は初めてお目にかかりました。
太く反った木に跨ぎ、観音様を撫でて祈願します。
よくある「痛いの いたいの とんでけー」をお願いする観音様のようです。
それにしても「跨木」は「股木」ではないかと思われる微妙な形をしています。
向きが悪いのか、小さな観音像も「考える人」のような悩む姿。
でも観音様の「半跏像」でしょう。
▼いよいよ本堂「施無畏殿」に上がらせていただきます。
▼堂内に入るとビックリ仰天の色と光が爆発していました。
本尊は秘仏の「開運出世慈母観世音菩薩」だそうです。
台湾や中国、東南アジアと関連のある飾りや菩薩像の説明は他のブログに任せます。
これなら観光客を集められそうです。
この寺の前に訪問した阿弥陀寺とは別な視点で、とてもオモシロイ寺です。
▼ちょうど20代の男子3人が座禅に挑戦しようとしている場面に出会って、住職はその法話のような説明と同時に、片付けと用意をしていらっしゃいました。
座禅には興味あるものの、諸外国の観光客のようにカンタンに体験しようと思えません。
現代の寺での写経、座禅体験などは、もっぱら若い人たちや諸外国の人たちが多く興味を持ち始めているようです。
そんな体験をする勇気も時間もない身は、
いただいた御朱印の「心願成就」の文字が、寺の斜面の崖にへばりつく力も失せ、
箱根の山の彼方へ飛んで行ってしまいそうです。
具体的に大きな願いは抱かない身にとっては、飛び去っていく「心願成就」は心地よくもあります。
こんな眺めを見ていて、そんな気持ちにさせられました。
▼ハイ、箱根観音は天成園「玉簾神社」の近くです。