▼無量寺 西浦不動の御朱印です。(真言宗醍醐寺派/愛知県蒲郡市西浦町)
本堂へ入ってすぐ左手の受付でいただきました。
係の女性は本堂内に集まった10数人ほどの年配者たちに何か渡したり、説明したりして忙しそうだったにも拘らずわらず、快く引き受けていただき、その間、本堂奥の「千仏洞巡りをしてきてください」とすすめめられました。
本堂内の参拝者は、この寺の住職の法話を聴こうとしていたのかもしれない。ガン予防の法話が人気だそうです。
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前回記事まで蒲郡市の1社、1寺を巡ってきました。
今回記事の寺も同じ蒲郡市内ですが、鉄道利用だと始発の「蒲郡駅」から名鉄蒲郡線で4つ目のショボイ駅舎の「西浦駅」が最寄駅となります。
▼しかし駅から南になる先の海側には、安くない宿泊料金の観光ホテルが林立する「西浦温泉郷」となっていて、駅舎の有り様とは対照的。
もちろん、そちらには用はありません!
そちら側とは反対の駅から北側に歩いて数分のところに目指す寺はあります。
寺の駐車場には大型バスが何台も駐めることができる広さとなっています。
この寺は観光寺ではないが「ガン封じの寺」として、とっても有名なのです。
加えて大雁塔、千仏洞巡り、大楠、住職の法話などと人気の素材が盛りだくさん。
▼高さ20mの「大雁塔」、まだ新しそう。
前回記事の金剛寺「マニ塔」同様、日本の寺には少しばかり似合わない?
まぁ見慣れないから、そのように感じるだけで、いずれ京都南禅寺の「水路閣」のように寺の景色に溶け込んでいくことでしょう。
この中も入場無料のようだけど、時間に追われ大雁塔内は入らずじまい。
祈祷以外は全部無料。観光寺ではない。
人が80歳、90歳と長寿の世の中になると「がん」を患う人が多くなります。
そして病と闘う人、回復を祈る人、癌にならないよう祈る人、皆な真剣な気持ちでこの寺に詣でにやってきます。
▼願う絵馬、感謝の絵馬が鈴なり。
人の寿命は延びる一方で、悲しいことに同時に癌の罹患者数もますます延びます。
平安時代創建の古刹ですが、ここ20年から30年くらいの時代の流れの中で、静かな寺から人々が大勢参拝にやってくる寺へと様変わりしてきたのでしょう。
▼ぜひ、桜の季節に訪れてみたくなるような参道。
「三河新四国」霊場の札所でもありますが、「東海三十六不動」「三河参不動」の札所でもあります。何しろ愛知県は霊場も寺の数も圧倒的に多い。
やはり正式名称の「無量寺」より「西浦不動」「がん封じの寺」と呼ばれるようです。
▼滝不動から流れる水を手水とします。
▼「ぼけ封じ仏」にもお参り。「ぼけ」はひらがな、「ガン」はカタカナ表記。
「がん」は「ガン」と書いても「癌」と表しても、どのみちあまり気持ちの良い文字ではなく、耳触りも良くないです。
この寺ではカタカナで「ガン」「ガン」「ガン」と言う表記を連射してくるから、ふと
米国のトランプも絶対にここに参拝に来なければならない、と思えます。銃乱射事件頻発の病んだ米国の「ガン社会封じ」を祈るのです。
すみません! ガンと真剣に闘っている方にとっては不謹慎な思いでした。
▼しかし、ここにも雁(がん)の字が・・・。やはりこの寺は「がんの寺」です。
そう言えば水上勉の小説に「雁の寺」という直木賞作品があったのを思い出します。
水上は幼い頃、寺の小僧だった関係から「五番町夕霧楼」「金閣炎上」などの寺を題材にした小説が面白い。
本もあるけど、DVDもありそう。
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話、この寺に戻します。
▼えてして、どこの「天然記念物」にも大きな魅力は感じませんが美事なことは確か!
そしていよいよ本堂です。中では並べられた椅子に10数人の参拝者が腰かけていました。
最近はどの寺の本堂も椅子が並べられていました。高齢社会の趨勢ですが、ちょっと前まではとても違和感を感じていました。今は目が慣れてます。
▼本堂内左手奥に「千仏洞」。敦煌の石窟寺院を模した洞窟めぐり。
あちらこちらにある「堂内めぐり」とは違って真っ暗ではないですが、かなり薄暗いから足元は物騒です。
撮影禁止の案内がなかったと思うので、失礼してカシャッ!いつも思うのですが、カメラを向けられ、フラッシュを浴びる仏たちはどのような気持ちなのでしょう? 撮影OKとしても撮る者も怖れ多い気持ちにもなります。
▼そんな不心得者の行い、思いを空海さんに詫びて、帰ります。ありがとうございました!