ほかの明王を本尊としている寺院もあるが、不動明王のその数は抜きん出ている。
昔から「お不動さん」といって庶民にも親しまれている。
如来、観音、地蔵さんと仏様は普通 優しい穏やかな表情をしていらっしゃるが、
密教のこの明王、特に不動明王は、大概は憤怒の形相、相当怒ってらっしゃる。
空海が初めて伝えた時の日本人の驚愕は半端じゃなかったでしょうね。
寺や本尊を守る天部の神たちも不機嫌な方がいる。
総門、山門で待ち構える仁王さんも怒りの形相。
そういえば吉野の蔵王権現さまも青くなって怒りを爆発しているようだが、お会いしてない。ぜひとも面会をお願いしたく、コンタクトをとってみよう。
お不動さんは、大日如来さんの化身、わしらに対して怒りを表しているのではないが、ご対面の度に、我が身の心の中まで見透かされているように感じる。
満タンな煩悩を不動明王に焼き尽くしていただき、覗かれても恥じる事のない、澄んだ心になりたいわね。
比較的に新しく造られた像は、愛嬌のあるお顔の場合もある。
深川不動の本堂正面で出迎えてくれる木造の「お願い不動」。
造られてまだ新しく、木の香が伝わってくるようだ。
こちらも思わず笑みが湧いてくるような相当ユニークなお顔だ。左目はウインクしているようにも見える。「その図々しい願いは、ちと難しいかもよ?」
顔は恐くはないものの、やはり見透かされている。
お願いする内容も、何でもかんでも、という訳にはいかないね。
20番から26番までは、すべて東京23区の東部や北部にある。27番からは埼玉県に移る。
現在、巡礼中の方は、ここのところ連日の高温注意報が、おとなしくなる秋口から埼玉を回るようにした方がオリコーさん、かもね?
20番 成田山 深川不動堂(深川不動)・真言宗智山派・東京都江東区富岡
21番 川崎大師東京別院(薬研堀不動)・真言宗智山派・東京都中央区東日本橋
22番 阿遮山 寿不動院(浅草寿不動)・真言宗智山派・東京都台東区寿
23番 砂尾山 不動院(羽柴不動)・ 天台宗・東京都台東区橋場
25番 皿沼山 永昌院(皿沼不動)・天台宗・東京都足立区皿沼