中央の朱印は一見「魚」か「鯉のぼり」のデザインかと思いましたが、
よく見ると「神紋(三光紋)」と「社紋(九曜紋)」をあしらった印でした。
▼千葉天神 2013年の御朱印。
2013年と2019年の訪問で、それぞれ本社と摂社の御朱印をいただきました。
それぞれ墨書きはなんら変わりませんが、中央の朱印が全く違うものになっていました。
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▼千葉神社へは千葉駅から1kmもありません。
千葉駅からモノレールが出ていますが、神社前で止まってくれるわけではないので、初乗り200円を利用する人はいないでしょう。
赤字経営のモノレールの駅名は「栄町」。
千葉駅から神社へ歩く場合も、この「栄町」を通ることになります。
かつての「千葉栄町」は新宿歌舞伎町に負けないくらいの繁華街でした。
ソープ街、密集飲食店街、コリアン、華僑、おヤクザさんなどをイメージさせる街でした。
バブルがはじけた後の現在は、千葉人気は廃れ、数多くの店舗、建物が廃業廃墟となり、歯抜け状態のパーキング街と化しています。
▼そんな街の隣にある「院内」の千葉神社ですが、神社周辺は小ぎれいに化粧し直した飲食店が並んでいます。
様々な理由から江戸時代の大きな寺社の門前には、花街や遊廓、岡場所がありました。
東京なら浅草、花園、根津、富岡など有名寺社のほとんどが「遊興の場」を隣接していました。
千葉栄町もそんな時代の名残りであるかもしれません。
▼そんな千葉栄町のダークなイメージを払拭しようとしたのか、神社前一帯に新し目な公園ができています。
江戸時代までは寺社の神「聖」さと、人々が営む「性」に今ほどの隔たりはなかったように思います。
日本が高度経済成長に至る前までの神社や寺院の木々に覆われた境内は、
若い男女が出逢うのに格好の場所だったはずです。
現代のように気軽で安価なラブホがない江戸時代の「水茶屋」「出会い茶屋」は庶民が気軽に利用できるような安価なものではなかったでしょう。
そんな時代の境内の利用方法に神仏も微笑ましく男女を見て、許していたのではないでしょうか。
もとより、陰陽に五穀豊穣を繋げて見てきたわけで男女のシンボルも奉納されたり祀られたりしているのだから、許すも許さないもなく性そのものがもっと大らかな存在だったのでしょう。
そんな考えがいつから変化したのか、現代は「聖」と「性」は近づいてはいけません。性に対する寺社のスタンスはほとんどがタブーでしょう。
若者たちにとって現代の「性」は極端に不自由な「ヤッカイゴト」になってしまいました。
▼神社前に「聖」と「性」の間には緩衝材としての公園が必要なのです。クリーンなグリーンです。
しかし「神聖」と「人性」は紙一重かもしれません。
かなり大回りしてしまいました。
▼こちらは境内の西側からの入り口。
▼公園を前にしたこちらが正面です。
▼楼門ですが、主祭神の北辰妙見尊星王が分霊されているそうです。
▼正確には尊星殿(そんじょうでん)と呼ばれています。
▼境内側から見ると全体像がよく理解できます。
中央「福徳殿」、上階「開運殿」、東「日天楼」、西「月天楼」と、4つにそれぞれ名称が付いています。
▼社殿は2階建で、それぞれ拝殿となっています。
▼2階が主祭神である通称「妙見(みょうけん)」の北辰妙見尊星王でしょうか?
「妙見(みょうけん)」と言われても耳で記憶していても人に説明できません!
wiki から引用します。
妙見菩薩(みょうけんぼさつ、旧仮名遣:めうけんぼさつ)は、北極星または北斗七星を神格化した仏教の天部の一つ。尊星王(そんしょうおう)、妙見尊星王(みょうけんそんしょうおう)、北辰菩薩(ほくしんぼさつ)などとも呼ばれる。
星座を神格化したそうですが、メソポタミアやギリシャみたいで良く分かりません。
さらに別名が多いとチンプンカンプンです。
単純に「星の神様」と理解することにします。
「星の巡りが悪い」とか言いますので、その「巡り」を良い方向に導いてくれる神ということで間違い無いでしょう!
▼社殿の左奥に摂社の千葉天神が構えています。
真っ赤かな千葉神社社殿よりこちらの方がシットリ、ドッシリ落ち着いた、歴史を感じさせる社殿ですが、かつては千葉神社の社殿だったそうです。
以下、境内や末社の様子です。
▼美寿之宮
▼亀岩ですが、人面石に見える部分もあります。
▼末社
▼「星神さま」「石神さま」などが一列に鎮座します。
▼妙見池に架かる神橋。
この付近はよく整備された、とても心和む空間でした。
ハイっ!「癒し」という言葉はキライなヘソマガリですので・・。
▼境内東にある鳥居です。
▼鳥居をくぐると狛犬というか、楼門前の狛犬よりステキな唐獅子が一対。
▼以下は高札に書かれている通りです。
▼左の赤字を「生活保護」と読んでしまいました。衣食住は上を見たらキリがない。
神紋の太陽、月、星、北極星、北斗七星にはじまり天神さまの神社は、
天、大空、宇宙というスケールを感じさせられ、
神社周囲の街の変化とともに進化していく神社のようです。