▼崇福山 安楽寺の御朱印です。(曹洞宗/長野県上田市別所温泉2361)
日付が干支の「癸巳(みずのとみ)」になっています。
パッと見、何年か分からないので「干支」は馴染みがないものです。
ちなみに2013年です。
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▼別所温泉の「安楽寺」へは「北向観音」から徒歩で向かいました。
信州別所温泉は上田盆地の西半分「塩田平」の西端の谷間にあります。
したがって三方を山に囲まれ、どちらを向いても山です。
▼安楽寺も山を背負った山麓にありますので、向かう途中も別所温泉の街並みがよく見える丘陵地帯を歩きます。
▼山号の「崇福山」の大きな額が掲げられているのは「黒門」と説明されています。
三門は別にありますので総門になるのでしょうか?
いくらか黄檗宗のニオイがします。
▼禅寺です。いつもの「不許葷酒入山門」がでかでかと注意喚起です。
ハイッ! 本日はまだ飲んでいません。
▼アスナロの高い木々に覆われた参道は陽が届きにくいのかジメッとしたイメージで薄暗い。
この日の天気「晴時々曇り」のせいかもしれません。
▼境内へは、誰しもこの石段を登らなければ辿り着きません。
▼石段を上がると明るくなって、正面に本堂。
年配の方も石段を上がってきたのか、皆さん本堂前で一休みしていらっしゃいます。
長野にも禅寺はたくさんあると思われますが、安楽寺は長野県内最古の禅寺だそうです。
創建は奈良時代と伝わるとは言え不詳のようです。
おおよそ古い寺は戦火や衰退などで、伽藍はおろか過去の記録も失われていることが多いものです。
資料がないと正確な年代は分かりません。
安楽寺が長野県内で最も古い禅寺と言われても、古い建物はほとんど失われ、
唯一残っているのが「八角三重塔」だそうです。
それを見に、本堂からさらに高い位置に登ります。
▼見上げると木々の間に見えた「八角三重塔」。
本堂から高い位置にありますので、さらに石段を進むことになります。
平らな境内に建つ三重塔や五重の塔は数多くあります。
しかし山間や山麓斜面に建つ塔は、そんなに多く拝観経験していません。
経験中でもっとも感動したのは、やはり山間に忽然と孤独にそびえる「羽黒山五重塔」でした。
ここ安楽寺の近くの「大法寺」の三重塔の美しさも記憶に新しい。
そして、
▼安楽寺の三重塔も山間の斜面に屹立します。
▼「八角」も珍しいように思いますが、鎌倉時代に建立された日本最古の禅宗様建築らしいということで長野県内で最初に「国宝」に指定されています。
2011年に大規模な改修が行われたそうですが、国宝も様々で、ここでは、ありがたいことに300円という駐車料金のような拝観料で国宝を目の前にできます。
京都・奈良や日光だったら1500円でしょう。
もっとも無料で拝観できる西尾市の金蓮寺「阿弥陀堂」などもあります。
全国の寺院の建物や寺宝の国宝指定は150以上あり、国宝も「ピンからキリ」ということでしょうか。
▼建築様式としては他に多くの類を見ないとされていますが、シロート目には垂木と組物の複雑さしか確認できません。
そもそも最初に見たときは「四重の塔か」と感じたほどの、造りに対するオンチです。
▼国宝を見上げっぱなしで首が痛くなったところで、石段を下に降りて「経蔵」。
こちらは六角。お馴染み経典が納められた「輪蔵」です。
▼もしかして「堂内撮影禁止」だったかもしれません。
何しろ近視で注意力30000、イヤ、注意力散漫人間。
確かなことは確認していませんし、覚えていません。
▼空が晴れて、帰る参道の石段は明るかったことは確かでした。
別所温泉にゆっくり浸かることがファーストならベターです。
むしろ、そちらが大事です。
でも、温泉の合間でも構いません。ぜひ参拝してみましょう!
▼圧倒的に美しい三重塔と五重の塔。