(真言宗豊山派/東京都足立区西新井1-15-1)
上の「弘法大師」がメインの御朱印になります。
もう1種類「大願成就 不動明王」の御朱印もいただけます。
正式には鶴見の「総持寺」と同じ名称ですが、こちらは「西新井大師」のほうが通用するようです。
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東武伊勢崎線、今は東武スカイツリーライン線と呼ぶようですが、その「西新井駅」から「東武大師線」が延びています。
と言っても本線に乗り入れてはいません。単線で区間は1km、始発と終点の2駅だけです。
神奈川の川崎に同じ「大師線」の名称を持つ「京急大師線」がありますが、そちらは複線、4.5kmで7駅。初めから川崎大師の参拝客を輸送するために開業されたそうです。
「東武大師線」も参拝客を輸送するためかと思っていましたが、それにしては「西新井大師」はわざわざ1路線を開業するほど参拝客は多くなく、有名でもないのになぜ路線がある?
「西新井大師」さんには失礼な話ですが・・・。
調べてみると昔、西新井と上板橋を結ぶ11.6kmの路線が計画されていて、ほぼ現在の環状7号線と同じルートが立案されていたものの、関東大震災以降、さまざな事情により断念されたそうです。
事前に用地買収などが進んでいた西新井と大師前を結ぶ1kmだけが、当初「西板線」という名称で開業したそうで、その後「大師線」と改称されたようです。
これで西新井大師に「大師線」という路線があるのを納得できました。
「京急大師線」とは違い、当初から参拝客輸送のための路線ではなかったのです。
▼その「大師前駅」から寺へは東門に出る近道もありますが、山門を正面に見る参道に入ると、とっても懐かしく感じる昭和レトロな店舗に出会えます。
東京でもつい最近までは、こんな店舗がまだあちらこちらにあったように思いますが、気づいたらいつの間にかなくなっていた、というのがほとんどです。
日本では神社でも売られていますので、達磨大師や宗教にとらわれず人気があれば扱うのでしょう。
▼山門の扁額には山号の「五智山」。
「五智」とは大日如来の五つの智慧を示すそうですが、少し難しいので突っ込まないことにします。
仁王像を見ていると、いつも思うのですが、神社の狛犬と同じく2つとして同じ像はなく、表情も様々なことが不思議です。当たり前といえばアタリマエですが・・。
狛犬も仁王も役目は同じ。赤く塗られているのはダルマと同じで、病気や災いを防ぐ魔除け効果としての「赤」なのでしょう。
▼五色幕が美しい大本堂では護摩祈祷の最中でした。普段は1日6回行われているそうです。当然、正月などはもっと多くの回数が行われるそうです。
▼その大本堂への階段を上がって、お参りしたらそのまま回廊を裏へ回れば「ご朱印処」の案内があります。
▼訪問時は4月の連休のせいか大勢の人が御朱印を求めていました。
ここの受付は窓口がありません。御朱印を求められると、その都度入口の扉が開閉されて対応していただきます。大勢の時は少し煩わしさを感じなくもありません。
▼境内を散策してみます。
ところで「関東厄除け三大師」という区分けがあります。
ここ西新井大師と川崎大師、観福寺(香取市)の3つを指すそうです。
もう一つ「良源 元三大師」を本尊とする天台宗寺院の「関東三大師」という区分けがあります。これは佐野厄除け大師、川越大師、青柳大師(前橋市)の3つだそうです。
また同じ厄除けで「関東三大不動」では、成田不動、高幡不動、不動ヶ丘不動の3寺が名を連ねています。
さらに「関東厄除け三不動」という区分けもあります。千葉厄除け不動、目黒不動、飛不動の3寺です。
整理しますと「関東厄除け三大師」「関東三大師」「関東三大不動」「関東厄除け三不動」の4つに分類されますが、ちっとも整理になりません。
おまけに、どの神社でも厄除け祈願は受け付けています。
厄年に当たる人はどの寺で、どの神社で厄除け祈願しようか迷うかもしれませんが、その効力? ご利益はどこも同じなのでしょう。
そもそも「厄年」は科学的にも医学的にも根拠はありませんし、どこからその話が出てきたのかも不明です。しかし平安時代にはもう存在していたそうです。
古くからの日本の慣習と捉えて、あまり深刻に考えないほうがいいかもしれません。
「厄年」や「厄払い」については、長くなりますのでまたの機会に記事にしましょう。
▼それにしても東門前の牡丹園から見る堂宇は美しく、眺めているだけで厄除けになりそうでした。