祖谷のかずら橋を後にして高知に向かった。車で1時間あまり。
腹が減った!
四国へ来てからうどんは3杯食べた。もうイイ!
が、高知と言ったら、カツオと四万十川の海苔くらいしか思いつかない。
海苔じゃ腹イッパイにならないだろうから、カツオを求めてここに入った。
意味不明のネーミング!
「おひろめ」のひろめかしら? あるいは土佐弁? ワシにはどーでも良い!
場内は土佐のお土産屋さんと地元のお店のフードコートのような内容だ。その姿は珍しいものではないなっ!
SAや道の駅と大して変わらないじゃない?
だが、カツオがある。
「藁焼き塩たたき」だって。
とりあえず、オーダーしてみる。
ワシの辞書には「期待してはならない物」に、観光地の名物もしくは特産物が載っている。
メジャー度が高いものほど、ガッカリ度も高いことを示唆している。
例えば「京都の湯豆腐」。
観光地価格としてもランチで4,000円。夜だと5,000円以上は当たり前。
なんで、たかが豆腐でこんなお値段になるの? デパートで高い豆腐一丁を買ってもせいぜい500円だろう?
かつて土産で買ってきた覚えのある神奈川のブランド豆腐「大山豆腐」は破綻してる。
豆腐にブランドなど要らない。
だが、それじゃ他に負ける。だからブランドを育てる。人と同じだ。育てるには時間と金が必要だ。
何とか人の覚えを得たとしても、売れて利益をもたらしてくれるとは限らない。
そんな想いで湯豆腐をいただくと、確かに美味しい、間違いない、不味くはないが、湯豆腐以上の味はしない。
無粋な人間だ! つくづくそう思う。
そんなことを言っていると観光地で名物なる物は何んにもありつけないことになる。
もっとも名物を美味しそうにいただくことに面映さを持つ。素直でない!
まぁ、ここ高知もとにかく期待しないでオーダーしたのだが、値段はワシの味方だった。
定食になっていて1,050円。
高い豆腐2、3丁のお値段、イイわね!
普段、時々は仕事中の昼飯がそんな数字になる事もあるような価格だわ。
出来上がった。
セルフで相席の大きなテーブルに運ぶ。
じゃ、普段のちょっとガンバちゃったランチと思い、いただくとしましょう!
どれどれ、厚めに切ったカツオが7切、塩がかかっている。ニンニクのスライスにレモン汁か!
右側のキタナイ色の塊は「青さのりの天ぷら」別勘定で180円。
シメて1,230円。
いっただっきまーす!
んんんっ・・・・キャイーーーーン!
カンペキKO!
色々な魚のタタキは大好きだ。アジのタタキ、イワシのタタキorナメロー、もちろんカツオも好きだから、これまでどれだけ食べてきたことか!
しかし、今まで経験してきたカツオのタタキは何だったのだ?!
これが高知に住む人たちがいつでも食べられるカツオのタタキとしたら、犯罪だ!
そう!犯罪的に美味しかった!
思わず走って生ビールを売るブースに駆け寄る。この美味しさ、ご飯だけでいただくのはモッタイない。昼間だが生ビールと一緒にいただく。運転はもうしない、知らないわっ!
東京は金さえ出せば 世界中の美味しいものを味わうことができる。
しかし、コイツはムリだ!!
まして1,050円でこの味は、東京中探し回ってもゼッタイ見つからない。
しつこく言う、このブログテーマは旅情報、グルメ情報じゃない。だから高価な食べ物の記事は書かない、恥ずかしいから。
でもリーズナブルで美味しかったものは書く。安くてもマズイ物も書く。ハジをかいた事も書く。
しかしTV番組でコメントするような「甘い」「柔らかい」「食べやすい」「臭みがない」などと言う言葉は死んでも書けない。
で数行前「東京中探し回ってもゼッタイ見つからない」と書いた。だが、このカツオが犯罪的に美味しかった高知の店「明神丸」が西新宿にあるようだ。
いつからあったのだ? 調べてみるとちょうど1年前の11月にOPENしたようだ。
知らなかったから当然行ってない。西新宿の店舗で、高知で食べた味と同じ味を提供しているのか定かでない。
とにかく2014年に喰らったカツオは強烈な記憶として脳裏に染み付いていた。
だから、何処かにあんなカツオを提供できる店はないかといつも思って眼を開いていたら、ここなら間違いないのでは? と見つけたのが高知県のアンテナショップ。
銀座1丁目にある「高知県アンテナショップまるごと高知」の2階に「TOSA DINING おきゃく」
少なくともアンテナショップだ。間違いないはずだ。まずかったらアンテナを引っ込める、覚悟があるはずだ。
西新宿の「明神丸」は知らなかったから、またあの味に再開できるはずだとイソイソと銀座に出かけ「TOSA DINING おきゃく」のお客になってみることにした。
出かけると言っても仕事をしている場所から1kmもない距離だ。いつも銀座までは歩いて行く。自転車でラーメンを食べに行く距離だ。
ランチもあるようだが「おいしいカツオのタタキを食わせるよ!」と友を連ねて夜に訪れたのは今年の7月の事。
ここだ。
同じ藁焼きたたきを出す店だが高知、新宿の「明神丸」ではない。
値段も夜の数値になっていて1,750円。塩たたきとゆずポン酢の2種類あったから、それぞれ1つずつオーダーした。
友人と一緒に焼酎を飲みながら塩たたきの方を一切れ口に入れる。
んんんっ・・・・キャイーーーーン!
ノックアウト!
高知で食べたあの味は何処だ?
もう一切れゆずポン味を一切れ口に入れる。
明神丸のあの味は何処だ?
2つの皿の中には何処にも見つからなかった。
勇んで連れてきた友人に恥をかいた。
7月という時期が悪かったのか、タイミングなのか? それとも高知の時が旬のうちでも旬で幸運だったのか?
2人でそれぞれ焼酎を2杯ずつ飲んだだけで早々と店を出た。
振り返った、アンテナは折れていた!
「アンタノシッパイ」だった。