いずれも書置きです。
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「南蔵院」という名称の寺は全国に多数あります。
▼東京にもいくつかありますが、今回訪問の南蔵院は東京・葛飾区です。
▼2013年撮影の山門。
▼2019年の山門。
▼山門脇に「史跡 しばられ地蔵尊」の案内があります。
▼山号が示す通り、元々は寺は墨田区業平にありました。東京スカイツリーの袂です。
創建は平安時代のプレイボーイ、歌人 在原業平の話まで遡ります。
境内は明るく広々として、気持ちよくきれいに整えられています。
▼「鐘楼」と手前の金属製の灯篭も見ごたえあります。
南蔵院の本山、比叡山 延暦寺にある鐘「開運の鐘(世界平和の鐘)」からその名称をいただいたそうです。
▼「開運の鐘」はお一人さま「一打」にしてください、との案内がありました。
ムヤミに数多く打つと「運」がどかに飛んでいってしまうのでしょう。
▼グルグル巻きで太ってしまった地蔵。あまりの縄数に地蔵がどんな形状なのか全くわかりません。
▼目隠しもされています。人々が1本100円の「願かけ縄」を地蔵に巻きつけ、盗難除け、厄除け、縁結びなどの願いを託すそうです。
地蔵さんに限らず、観音、不動などが洗われたり、水をかけられたり、赤いお札や金箔を貼られたりして、人々の願いを聞きとめます。
しかしここでは「縛る」のです。縛る形は他では知りません。この寺だけではないでしょうか?
それにしても、なぜ「縛る」?
自分の痛いところと同じ箇所にいろんなものを貼る発想は分かります。
しかし「縛る」発想は普通では出てきません。
まさか地蔵さんは「M」ではないし・・・。「M」と言うとプリプリ奥田? 今は岸谷?
全く関係ない、バチアタリな話になりそうです。やめます!
願いが叶った時点で地蔵さんの縄は解かれるそうです。
なぜ「しばり」なのか?
大岡政談の故事に発し、南蔵院のHPに詳しい。
大岡越前守の裁きによって生まれた「しばられ地蔵」ですから、寺の創建は平安時代でも「しばられ地蔵」は江戸時代からのもの。
まったくもってよくできた話ですので、現在まで人々の参拝と願いが絶えないのでしょう。
▼こちらは本堂。
▼2013年の訪問時には提灯が飾られていました。
▼太子堂。
最澄は聖徳太子を慕い、崇めたそうです。他の宗派でも聖徳太子像は見られますが、特に天台宗の寺に多く見られるのは、最澄の聖徳太子観によるものかしら?
▼「出世牛」? う〜〜〜ん、風雨にさらされたのか、触られ過ぎなのか、ネズミにようになってしまっている。
▼そして「水琴窟」がありました。
▼「つくばい」の水が地中に埋めた甕に滴ります。その反響音を聴きます。
こんな侘び寂びの極みのような仕組みは、日本にしかないものでしょう。
▼曼荼羅を模している配置のようです。
▼寺は東京23区内ですが、ちょっと先は埼玉県三郷市。そんな地域ですので広い境内も庭もゆとりある造りにできるのでしょう。
▼山門の脇はお休み処。
こちらで御朱印をいただけますが、書置きのみの扱いのようです。
▼寺が元々の位置、現在の業平橋、スカイツリーの下にあれば、ここが Cafe になっていた事、間違いないでしょう。
寺までは、JR「金町駅」北口からバスも出ていますが、歩いても15分以内。
季節の良い時に、ぜひ訪問してみてください。