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御朱印迷宮

関東を中心とした寺社の御朱印記録です。参拝・収集目的に少しでも役立てば幸いです。

西生寺の御朱印(新潟・長岡市)〜600年以上、耐えて座り続ける即身仏にご対面

▼海雲山 西生寺 本尊の御朱印です。(真言宗智山派新潟県長岡市寺泊野積f:id:wave0131:20190606155100j:plain

▼同じく西生寺弘智大士」の御朱印f:id:wave0131:20190606155101j:plain

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弥彦山の麓にある弥彦神社から、山を回り込んで日本海側に向かいます。

 

弥彦山の中腹にある西生寺結界門が参拝者を迎えます。

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西生寺は奈良時代行基による開基と伝わる古刹です。

客殿だそうですが、元は茅葺だったのでしょうか?

f:id:wave0131:20190606155103j:plain建物を押しつぶすように覆いかぶさる屋根は、銅板葺きでもなさそうですが、生き物のように波打っていて、瓦のように見える表面は龍のコケラのようにも見えなくはない印象的なお堂です。

この堂は謙信が寄進した愛染明王が本尊です。毘沙門天でなく愛染明王

 

▼駐車場に車を駐めると真ん前は宝物館。こちらの拝観は後ほどにします。

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西生寺は生きたままミイラになる、つまり「即身仏」で有名です。

即身仏」は、食事や水の摂取を徐々に少なくし最後はゼロにして、印を組んで座したまま死に至り仏となる修行だと理解します。とんでもない行です。

しかし「修行」と言うのとは少し違うかもしれません。

修行の先は僧として、人間として生きられるのではなく、自身の姿を仏と化して法を説き続けようとするのですから・・。

 

京都比叡山に「千日回峰行」という7年間にわたる行があるのは皆さんご存知。

その行の途中に「堂入」という、9日間にわたる断食・断水・断眠・断臥の過酷な行があります。

飲まず、食わず、眠らず、横にもならない、死をも覚悟しなければならない行です。

 

想像を絶する行ですが、「死をも覚悟」ではなく「死を目的」として、のぞんだのが鎌倉時代の僧「弘智法印」です。

全国に「即身仏」は北陸、東方地方を中心に20数体あるそうで、ほとんどが江戸時代に仏になったもののなかで西生寺の「弘智大士」は鎌倉時代に仏になった一番古いものとだそうです。

 

▼「弘智大士」はここ「弘智堂」に安置されています。

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飾り物の彫刻がスゴイことに。いつも驚くのだが、この時代の堂は驚くに当たらないのでしょうか? 現代においてこんな彫刻のある建物が造られることは考えにくい。

 

▼堂内に上がり、住職による経の途中で御簾が開かれ「即身仏」が現れます。

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もちろん撮影禁止のその姿は、とても小さな身体で深く俯いており、ワタシにはヒタスラ何かに耐えているように見えました。

記憶は定かでないものの、開かれた御簾は、すぐに閉じられ、アレレッと言う間の短いご開帳でした。

バチアタリな言葉ですが「ちょんのま」と言う形容がピッタリのように思いました。

もしくは「紙芝居」でした。

もちろん物珍しさの見世物ではないですが、江戸時代には2度ほど出開帳も行われたそうです。

 

何れにしても写真ではお目にかかっている「即身仏」の現仏、いや現物とご対面したのは初めてでした。

 

▼こちらは本堂になる「阿弥陀堂」。

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金比羅堂の脇には5、6mありそうな大きな「弘智法印像」が、人を諭すように、やや前屈みで立っています。

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宝物館まで戻って拝観します。

写真は撮り忘れましたが、「即身仏」のレプリカもあります。

▼「雷獣乾躯」と言うそうです。テンの一種のミイラで今は絶滅しています。

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この宝物館には他にドクロ、オオカミ、アフリカの彫り物など、時と地を超えた展示物があります。

機会を作って、ぜひ皆さん自身の目で確かめてください。

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良寛はこの寺に半年ほど滞在し、その前に芭蕉も訪れています。

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良寛は「即身仏」を参拝し、何を思ったのでしょう?

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▼展望台までの道を汗をカキカキ、登ってみました。この日は超静かな日本海でした。

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弘智法印も、芭蕉も、良寛も、それぞれ様々な思いで同じ海を見たことでしょう。

5,670,000,000年後弥勒菩薩がこの世を救いに現れた時も、

この海が変わらず青いことを願うばかり。

 

wave2017.hatenablog.com

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