8番を除いて、14番までは埼玉県に入って、すべて所沢市内。
東京の喧騒を離れて、比較的にやや静かな地域になる。
所沢市は隣接する東京市部と比べると、その面積は抜群に広大だ。
かつては東京のベッドタウン的役割も担っていたかもしれないが、今やそんな気配は感じられない。
所沢に限らず「ベッドタウン」なんて言葉は死語になってしまったのかしら?
一昔前、団塊の世代がマイホームを東京郊外に求めた。
現在になって、その世代の息子、娘たちは、親の住まいを歓迎せず、自分たちの住まいを都心に求める。
東京中央区、湾岸部の江東区などのタワーマンションなどは出来上がる前から全て完売御礼のカンバンが掲げられる。
もちろん住むことが目的で購入するばかりではなく、投資目的の購入者も多いはずだ。
そんな数値を割り引いても、人の都心部一極集中はあきらかだ。
新築マンション着工件数の違いもさることながら、同じような条件、間取りでも所沢と東京中心部との価格差はある程度予想できる。
東京中心部から所沢まで西武線利用で乗車時間は1時間ほど。取り立てて長くはない。
しかし、今東京に職を持つ人が新たに住まい購入を考える場合、所沢をその選択範囲に入れる人の割合はかなり低いだろう。
比較的新しい武蔵野三十三札所も、23年後の2040年には開創100年になる。
その頃の所沢、東京の姿はどのように変化してるか想像を絶する。
街や人の暮らしは無常、常に移り変わるが、武蔵野三十三の札所とそこを巡る人たちの心は周囲の大きな変化にも惑わされず、年月を重ねる度にますます堂々とするだろう。
この部分だけは、きっと間違いないだろう。
13番 吾庵山 金乗院(山口観音)・真言宗豊山派・埼玉県所沢市上山口