御朱印迷宮 /Goshuin Labyrinth

御朱印収集にはほとんど役に立たないブログ!どこまで続けられることやら!

のどかな田園風景の中、沈黙の国宝が無防備に鎮座してた:御朱印:金蓮寺

愛知県の国宝・重要文化財の数は特に多くはない。

建物の国宝は3つだけだ。

犬山城」の天守と、同じく犬山にある茶室「如庵」。

そして、ここ「金蓮寺 弥陀堂」。f:id:wave0131:20170922194201j:plain

静かだ。

寺の周囲はなんの変哲も無い住宅が点在する、のどかな田園地帯だ。片田舎だ。

弥陀堂は丘陵先端の森を背に、訪問客を待つように佇んでいる。

時々寺の前の道を行く車の音と、背後の木々から聞こえる夏の名残りの蝉の鳴き声が、余計静かさを感じさせる。

同じ県内でも、地の利と他のテーマパークが揃っている犬山の2つの国宝に比べると、周囲も寺自体も観光的な様相は一切ない。

しかし、小さいながら堂々とした孤高の国宝だ。

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近年改修されたとはいえ、愛知県最古の木造建築。鎌倉時代中期の建立とか。

よくぞ800年の時を無事経て、残ってくれたものだ。

多くの人には知れずに、興味の対象にもならず、大して心がける事もない、もしくは、いつも当たり前にそこにあるお堂だった。だからこそ現代まで生き続けて、その姿を維持できたのか?

人が無関心であることは、ある側面で持続につながるかもしれない。

誰にも、時代にも大きく干渉されず、ひっそりと、地元の信者たちと共に時を紡いできた、と勝手に解釈する。

 

それにしても、国宝にしてはまったく無防備。裸で畑の中に置かれているようなものだ。

お堂の裏の数ヶ所に人感センサーらしきものの他、防犯・防火用の特別な設備は見当たらない。

寺はかなりオープンな佇まいで、夜間もどこからでも近寄る事が出来そうで、心無い人間のイタズラなどを簡単に許してしまいそうだ。

国宝の扱いもそれぞれだが、ここは仏たちの力よって守られて来たかもしれない。

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御朱印をいただくため本堂横の庫裏に声をかけた。

住職らしき方の声が、本堂側で待つようにとのこと。

住職は脚が少し不自由なのか、庫裏から小さな買物カートのようなものに掴まるように押しながら、本堂受付に現れた。

御朱印ごときで不自由な脚で移動いただくのに申し訳ない気持ちになる。

そして、今や集印者の誰もが知っている御朱印を揮毫いただいた。

筆先はしっかりしているが、住職は、かなり高齢だ。

大変失礼な想像になるが、この先、いつまでも今の住職を続ける事は出来ないはずだ。

だとすると、この「国宝み多"堂」と記された味わいのある御朱印は、現住職がご健在の間だけ、いただけるものになってしまうかもしれない。

失礼やら、寂しいやら、感謝やらと複雑な思いで寺を後にした。

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青龍山 金蓮寺・曹洞宗愛知県西尾市吉良町