「いそのかみじんぐう」と読むそうです。
お定まりの急ぎ足、早朝7時過ぎの参拝でした。
社務所のオープン時間前でしたが、若い禰宜さんとすれ違いざまに声をかけたら、笑顔で対応いただきました。
御朱印収集を始めて、こういう場面で苦い記憶もたくさんあります。
しかし同じくらい、いや記憶としては嬉しい対応の方が多かったかもしれません。
やはり記憶に残るのは、どんなに美しい自然や、どんなに歴史を持つ建造物も、溢れる人の笑顔や、優しさイッパイの人の心には叶わないかもしれません。
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▼石上神社は「天理市」にあります。
天理教信徒は別ですが、東京の人間で天理市に詳しい人は少数です。
それが市制都市になっているとは夢にも思いませんが、戦後間もなく市制になっています。
市名に宗教団体の名称がそのまま使われているのは日本でもここだけです。
市内は天理教一色です。
天理市を車で走ると、いわゆる宿坊のような「詰所」がたくさん見られます。と言っても外観はアパートとかマンションのような形態です。
天理市とか天理教については、せいぜいその程度の知識しかないのが東京人、いやワタシです。
ちなみに仏教でも神道でもない天理教ですが、本部でも御朱印をいただけるとのことです。
▼さて、よく知らない一神教の天理教本部から500mほどにある石上神社です。山の麓にある石上神社の旧社格は官幣大社で、現在は別表神社。
wiki によると「日本書紀」記された「神宮」は、伊勢神宮とここ石上神宮だけであり、その記述によれば日本最古設立の神宮となるそうです。
▼参道を進むと多くの神鶏たちが鳴き声とともに迎えてくれます。
▼神の使いとして大事にされているそうですが、飛べるニワトリは鶏舎ではなく木の上で一夜を過ごすそうです。
鶏が木の上でくつろいでいるのは、珍しいものを見る感じです。
鬱蒼とした緑に囲まれた境内、早朝7時に参拝者の姿はまったく見かけられません。
回廊を持つ楼門周辺も凛とした空気に包まれていて、とっても気持ちの良い空間です。
誰もいない境内では寂しさを感じる場合と、神聖さと清々しさを感じる場合があります。その違いを省みると神社の名実ともの大小に依るようです。
伊勢神宮などでもそうですが、やはりの人の少ない早朝は他に比較のしようがない感覚に包まれます。
寺社は人が来る前、人が去った後の時間に初めて感動できる場合があるようです。
▼鎌倉時代初期の建立と伝わる入母屋造りの拝殿は国宝に指定されています。
石上神宮を中間地点に持つ「山の辺の道」という自然古道があります。
奈良方面と三輪、桜井方面に続く日本最古の大和古道として、熊野古道などと同様に人気があり歩く人が多いそうです。
もともと天理市が市制に移る前は山辺郡で、当時は市名を山辺市にすべきという意見もあったそうです。
そして神道にに近いようで、神道ではない天理教の名が、そのまま市名になった地に鎮座する日本最古の神社。布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)をはじめとする3つの主祭神は何を感じていられるのでしょう?
排他的ではない八百万の神々たちは、市名などは何ほどのものではない! と毅然とされていることに間違いないでしょう。