神社に授与所は見当たりませんので、自宅兼社務所らしきドア横のインタフォンを 少し、いや、かなり躊躇しながら押します「御朱印をお願いできますでしょうか?」
すると、ほとんど間髪入れずにドア左横の窓がガラッと開きました。
窓から顔を出した宮司さんらしき方は「ハイ!?」。
愛想は感じ取れませんが、丁寧に時間をかけて御朱印を押していただきました。
御朱印を待つ間、窓際の宮司さんを見ていると、その人柄が何となく理解できました。
朱印帳と引き換えに500円お渡しすると、案の定、目をシロクロさせながら「これは・・・」と。御朱印は300円だったのでしょう。
あとの言葉は予想できますので、間髪入れず
「ありがとうございました! お賽銭がわりです!」と言葉を返しました。
すると・・
「ありがとうございます」と鸚鵡返しの言葉でした。
宮司さんのそんな言葉に、神社のある部分の状況が理解できました。
ホントは、というかワタシの感覚では寺社はショーバイではないので「ありがとうございます」は禁句でした。
でも近頃はそんな場面に多々出会い、慣れました。
そうです、普通の人なら、人の気配のない社務所のブザーを押すのには勇気が入ります。
何が出てくるか分からないからです。コワイのです。
しかし、ご朱印目的での寺社巡りは それが楽しいのです。スリルです!
そして、須賀神社さんのように対応は満点のサービス的ではなくても、その気持ちはタップリあることが感じられる対応の時は心が温まります。
人の気配のない寺社でも「インターフォンを押す勇気」を持ちましょう!
もちろん、その結果がどうであれ、常識的なマナーは必要不可欠です。
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▼須賀神社は浅草橋駅から200m➕チョットという立地条件の良いところにあります。
浅草橋はJRと都営地下鉄の2つの駅を持ちます。しかし地味な駅と地域でした。
元は、地方の中小小売店舗相手の店舗装飾品、販促アイテム、また糸偏を生業とする事業者相手の問屋が並ぶ街でした。
そのイメージが少し変化して、雛人形や五月人形を商う「人形の街」にもなっています。
▼駅前の表通りはもちろん、裏通りまで人形店がひしめいています。
しかし、一番の変化は大通りの「江戸通り」を行き交う人々、諸外国の観光客の多くなった事を感じます。まぁ、東京では隅々までどこも同じような状況ですが・・。
そんな浅草橋から蔵前、そして浅草へ続くエリアは、今かなり面白い、おしゃれなカフェ、専門店などがフツフツと沸いています。
▼浅草橋近辺にはいくつもの神社がありますが、中でも一番の立地条件を有しているのが、ここ須賀神社です。駅からは銀杏岡八幡神社の方が近いのですが、一通りの多い大通りに面しているという事でこちらの方が有利でしょう。
▼でも境内も狭く、地域では一番ジミな神社かもしれません。大通りに面した鳥居前を闊歩する欧米人は必ず目を向けていましたが、境内に入ろうとはしません。わが日本人の参拝者も少ない寺社に海外の観光客は足を止めないでしょう。
日本人が意識しない部分で欧米人の興味をそそる、琴線に触れる「何か」を持たなければ、気にしてくれて目を向けるものの立ち寄ってくれません。
まずは何本かの幟を立てたいところです。さらに緋毛氈の縁台などあれば、必ずや人が寄ってくれます。
境内に一人、二人の参拝者がいれば興味をそそられ、5人10人の訪問者を誘います。
こんな立地条件に恵まれている神社は、可能性が無限かもしれません。
▼その可能性が開花するのを深く、静かに、忍耐強く待つ狛犬たちです。
▼ワォー! 神社も経営です。
寺社も経営センスが必要です。
きっとそんなセンスを持つか否かが千年続くか、生き残れるかの命運かもしれません。
今後この神社がどのように進化していくか、すこぶる興味深いものとなりました。
今や有名な四谷の須賀神社だって、例のアニメが公開される前の境内はこの神社の閑散さと大きな違いあはりませんでした。
御朱印を求めて、浅草橋駅から続く多くの神社訪問の仲間に「須賀神社」を忘れずに!