▼吉祥陀羅尼山 瀧山寺(天台宗・愛知県岡崎市滝町)本尊の御朱印です。
朱印も素晴らしいけど、三河訪問の3日間で一番お気に入りの寺でした。
直書きの朱印は1ヶ所で2体までしかいただかない事にしてるが、東照宮の朱印は書置きだったので全部で3体。1000円を受け取ってもらいました。
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▼滝山寺はほぼ山の中です。
1300年の歴史を持つ、愛知県・三河を代表する古刹です。
しかし寺は岡崎市街から少し東北の山あいにあります。
車以外、バス利用になりアクセスはあまり良くありません。
寺を目指して車を進めると、
岡崎市街地ではあまり見られなかった紅葉が目立ち始めます。
▼行く手の右に、いきなり色鮮やかで大きな三門(仁王門)だけ見えてきます。
鎌倉時代に建てられた柿葺きの三門は、修復が繰り返されてきたのか、
見た目は新し目。
滝山寺全体の雰囲気でここだけ場違いにピカピカな明るさ!
ピカピカの寺の建造物は好みではないが、
ここは紅葉としっかりマッチしてるから許します。
しかし寺の本堂は、まだ1km近く先にあります。
しばし、三門の脇を流れる青木川のせせらぎを相手にしてみます。
▼車だから三門から数分で寺の駐車場入口前に着きます。
迎えてくれたのは鳥居でした。大きな三門を過ぎて、次は鳥居だからややこしい。
鳥居は東照宮があるからでしょうが、寺の起源は家康よりはるかに古い。
なのに鳥居が図々しく出しゃばっています。
やはり東照大権現の威光は如来、菩薩より前面に出されるものだったのでしょうか?
駐車場の案内板に従わず、鳥居の脇の道を登ります。
神が存在する地に、そこを管理する別当として寺があるのは仏教伝来以来の事。
でも、寺社を巡っているとその逆もあることを知ります。
寺の守り神として神社が造られるのです。
もう、どうでもよいね! 現代のワタシらが寺と神社を分けているだけだから。
▼ひたひたと階段をこなすと本堂にご対面できます。
しかし境内に何台も駐車しているこの車はどこからやって来た? 駐車場に駐めなさい!
いつも、どこも興ざめするのは境内に駐車している車。
ましてや本堂の前は勘弁してほしい。もっと境内のず〜〜〜と手前なら許す。
現代では一人吠えても仕方ないこと? 個人的にこの寺の唯一つの欠点でした。
▼この本堂で行われる鎌倉時代から続く「鬼まつり(火まつり)」が、
この地域で、この寺で一番有名なイベントのようです。
全国どこにでもある「奇祭」らしい。奇祭が多いと奇祭でなくなります。
「奇祭」は人に知られて、やっと奇祭と表現されます。
昨今TVなどで取り上げられる機会が多くなって、
紹介されると勝手に「奇祭」にされることもあるかな?
頼朝の祈願によって始められたと伝わり、
数百年続けられている「祭り」は、当初は祭りでも「奇祭」でもなく、
淡々とこなす神事、いや寺の行事だったのでしょう。
▼そんな歴史が続く寺だと知った綱吉も、自分もこの地に何かを残さねばと梵鐘を寄進します。
東照大権現がいらっしゃるからなんでしょうけど、きっと・・。
▼本堂の右奥にある「瀧山東照宮」。
寺の境内と打って変わったような空気が漂います。
全国の東照宮でも賑やかで明るさを感じる宮と、
ちょっと薄暗く、人が少なく神秘的な雰囲気を醸し出している宮とがあります。
当然ここは後者。
この東照宮は家光の命で建立され、国の重文。
▼拝殿、中門、本殿と並んでいます。
絢爛な極彩色の装飾は確かに東照宮です。
さらにその左奥に家康が再建したという「日吉神社」。
▼痛みが激しいのか覆屋があって全体は見渡せません。
小高い山の上にある瀧山寺本堂と東照宮は、寺の人間がいる気配はありません。
2組の参拝者を目にして山を降りてみます。
山と言っても小丘程度。すぐ「里」に出られます。
▼宝物殿と本坊が見えてきます。
▼そうかここは天台宗だった。
▼本坊への階段。
ここも人の気配がありません。
▼宝物殿の方へ行ってみます。
▼地蔵が迎えてくれます。
▼こんな案内があるが、ボタンを押すまでもなく・・・。
▼宝物殿受付に僧侶さんが見えました。
▼数人の色紙が額に入れられ飾られています。
数年前、NHKの番組で薮内と篠原が全国の寺・仏像巡りをしていた時のもの?
お願いした朱印をご住職が墨書きしてくれています。
ここに来る前に大樹寺に寄った話をしました。この寺がとても気に入った事も・・・。
気さくな住職とお弟子さんでしょうか?
声を揃えて・・・
「あそことは いろんな意味で格が違うから・・・」
「ここはアクセスも悪いし・・・」
「誰も来てくれない・・・」
いくらか自虐的に聞こえなくもない。
「上の駐車場には3台駐まっていましたよ!」
「広い駐車場に3台じゃぁ・・・」
「観光バスも来てくれないし・・・」
そんな言葉とは裏腹に二人は笑顔。
住職が「私が彫りました」とポストカードを渡されました。
どうやら寺で行われる「鬼まつり」の面らしい。
BLOGの話もした。「ほかのブログでも評価高いですよ、この寺は・・・」
「ぜひ宣伝しておいてください」と住職。
今回はパスしたが、宝物殿では運慶・湛慶 父子作の菩薩立像が見られます。
観光的要素はタップリあるのに、確かに大樹寺と比べると訪問者は少なそうです。
ここ瀧山寺は山間にあり、本堂と東照宮は山の上、宝物館は山の下、というような地理的条件が悪く、比べると観光的には不利。
(山といっても距離、高低差はわずかだが)
ご住職らから自虐的な言葉が出て来ても不思議でないかも。
しかし、歴史的にも興味深いものは多いし、
全体の雰囲気や周りの景観は滝山寺の方が俄然優っているように思えます。
単に好みの問題でしょうが・・・。
何よりもご住職とお弟子さんの対応がイイ!
SALE次第で多くの訪問客が来る可能性を持った寺。
帰り際も地蔵さんが見送ってくれます。
愛知県に行く機会がある人は、是非とも立ち寄って見てください。
きっと、いろんな意味で満足できる訪問となる事と信じています。