大嶋山 瑠璃寺の御朱印
▼瑠璃寺の御朱印です。
「瑠璃」ときたら本尊はほとんどが「薬師如来」。300円。
▼車で東京からですと、もう殆どどこにいるのか分からない伊那郡です。
▼伊那街道からそれて、中央高速の高架をくぐり、中央アルプス方面へ少し登ります。
▼途中の仁王像を通り過ぎて一直線で、瑠璃寺総門前に出ました。
駐車場で車から降りるとお参りは最初に「瑠璃の里会館へ」の案内看板があります。
逆らわず大人しく、おっしゃるとおりに、そちらに行ってみます。
▼「瑠璃の里会館」は寺域の一画にある。入口では猫が寝そべっていました。
▼お地蔵さんかな? 右のこのドアから中に入りました。
「瑠璃の里会館」内は、何のことはない休憩所がある土産物店のような雰囲気。
小スペースのホールはギャラリーにもなるし、飲食もできそうです。
わたしの語彙は「売店」を選ばせた。
さして広くもない館内には従事者らしき女性が2人と少年が1人。3人とも身内のような様子。
少年は夏休みの宿題か、大きなテーブルにしがみついてノートと本のようなものを拡げて女性たちと何やら話しています。
寺社巡りで、こういうシーンは何故かシラけさせられるのは、私だけかしら?
さらに会館内には
▼招き猫の「びんずる尊猫(そんにゃ)」。
▼そして「薬師猫神」が・・。
一応、手を合わせまする。
しかし、そんな自分が可笑しくなってきました。
まともに何かを祈る気持ちにはなれなかったのです。
確かに猫を神として祀る地はあり、特に日本の養蚕が盛んだった山奥では、害となるネズミ退治の貢献で神格化されることが多いそうです。
瑠璃寺のHPにも解説されています。
かつて養蚕が盛んであったこの地方では、お蚕様をねずみから守ってくれる猫を「猫神様」として、大切にしていました。
多くの寺社は動物と仲が良いから、そんな話は 3000m級の山ほどあります。
十二支の動物はすべて寺社の伝説や境内に現れます。
天井・水屋に竜、撫で牛、神馬に神鹿、白蛇、猿に兎、狛犬とあらゆる動物が対象となりキリがない。東京ではライオンだって神社にいるのです。
みんな神になったり、守り神になったりしています。
蛸薬師などは古くからの伝承信仰として名が知られています。
猫薬師というものもあります。
しかし、猫がいるここは? 「薬師猫神」です。
今は「何でもありが寺社の姿」と理解しているつもりなのに、ヘソマガリなワタシは何が気に入らなかったのでしょう?
猫が嫌いでもありません。
だいたい嫌いな人間はいても、嫌いな動物はいません。
嫌いになる理由がないのです。
この寺の普段は開帳されない本尊薬師如来の化身として、新しく「猫神様」としたそうですが、世は猫ブームでもあり、明らかに「カワイイ」を狙っている?
そして人の出入りの多い売店のようなこの会館に祀った。猫好きスポット的に・・・。
と思いましたが、下衆の勘繰りでした。
「平成19年にお迎えした猫神様」だそうだから、猫ブーム以前の事です。
▼この写真はお借りしたもの。
大嶋山瑠璃寺 住所:下伊那郡高森町大島山|ふるさと再発見|行こう!みなみ信州|JAみなみ信州
いずれにしても、寺社は地域コミュニティの一隅を形成しなければいけないし、外からの訪問者、参拝者も多く受け入れなければならない。
宗教色は薄めても、新しいものもどんどん取り入れていかなければならないのです。
「猫神様」は、そんな背景から新たに祀られたものかもしれません。
多くの寺や神社を訪ねてきて、様々な事情を多少は理解できてるつもりでも、この時は虫のイドコロが悪かったのか「猫神様」を前にして、フ〜〜〜ン!とテンション暴落。
ここでは借りて来た猫のようにおとなしくなってしまって、会館にいた人たちにジョーダンも言えなく、一つの話もできませんでした。
何故かそんな気持ちになれなかった。そんな時と場所もあります。
結局、この寺では会館以外に人の気配はありませんでした。
朱印もこの会館内のおネェさんが記帳担当のようです。
しかし、気分はいくらかシラけたままなので、余計な口は叩かず、いただける朱印の種類も聞かず、また聞かれもせずに、渡された一体だけをいただいてきました。
▼気を取り直して境内を回ってみます。
開創900年だそうだ。薬師本堂や観音堂とは別に、ここだけ山門と塀で囲われています。
▼真夏の間中、花開かせているサルスベリはエライ! といつも感心します。
▼猫ブームと同じく、七福神だって毘沙門天や大黒から始まり、三神になり、民間のブームにより今の七福神に落ち着いたのかもしれない。
▼鐘楼の前は聖徳太子像。天台宗寺院には太子像がよく見かけられます。
▼小さな庭もあります。
▼阿弥陀堂。
▼再び山門を出ます。寺の敷地内といえる場所に日吉神社。
この寺も戦国時代に兵火により失われたものが多かったようです。
一時はこの神社も含め、もっと多くの堂宇や坊で賑やかな寺を形成していたのでしょう。
▼薬師本堂。
こんなお堂を前にすると、暴落テンションも持ち直してきます。
▼観音堂。
▼境内から帰る方向を見ます。
▼帰り道、地蔵さんたちが左右で見送ってくれます。
「猫神」について、ウダウダ感じてた事を笑われました。
御朱印収集者で猫好きな方、ぜひ訪問してみてください。